メリー・モナーク:2016 ミス・アロハ・フラ 『ケイリィ・カイウラニ・カー』Interview(再掲)

(2016年8月に掲載したものに加筆・修正などをした記事です)

目前に迫ってきた、メリー・モナーク・フェスティバル
美しく、力強い戦いを待ちきれない!

昨年の大会でミス・アロハ・フラを獲得したのは
「ケイリィ・カイウラニ・カー」
2016年7月におこなったインタビューを
修正、写真を追加して”再掲載”します

ミス・アロハ・フラになるためのプロセス、心構え
ステージでの気持ち
そして、ミス・アロハ・フラになってからの想い

ミス・アロハ・フラ本番前に読むと
さらに深く、楽しめるのでは…
Interview: 2016 ミス・アロハ・フラ
『ケイリィ・カイウラニ・カー』 
”2016 Miss Aloha Hula” Winner
『Kayli Kaiulani Carr』
迫力のカヒコ・爽やかで優雅なアウアナ
美しく・聡明・チャーミングなフラの女王は
伝統を受け継ぎ、最も美しく踊るフラ・ダンサーだ
「ケイリィ・カイウラニ・カー」のロングインタビュー

 

 

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2016年ミス・アロハ・フラ「ケイリィ・カイウラニ・カー」が

9月におこなわれる「ナー・ヒヴァヒヴァ・ハワイ」のプロモーションで来日、

テレビ・新聞・雑誌などと共に8011web.comもインタビューの機会をいただいた

 

6歳から母が通うハーラウでフラを始めた

 

彼女はオアフ島の

ハーラウ・ヒイアカイナーマカレフア|Hālau Hi‘iakaināmakalehua”でフラを学んでいる

クムは共にクム・フラ ホクラニ・ホルト氏からウニキを受けた”ケアノ・カウプ”と”ロノ・パディラ”

ハーラウが出来たのは2008年でメリー・モナークに参加したのは2014年から

急激に力を付けてきた、ニュー・ジェネレーションだ

 

創設8年、メリー・モナーク・フェスティバルに参加して3年目のハーラウは

ミス・アロハ・フラを輩出するという快挙を成し遂げた

 

「ケイリィ・カイウラニ・カー」は、”カイウ”と呼ばれていると教えてくれたので愛称で書かせてもらう

 

インタビューの冒頭で、下調べした”カイウ”のプロフィールについて確認した

  •  オアフ島 ワイアナエ生まれ
  •  6歳から母親と一緒にHālau Hula O Ka Wehi Kaʻu I Ka Pali(Kumu: Ku’uipo Avila)でフラを始める
  •  2001年 ナターシャ・オダのフラを見てフラに目覚める
  •  カメハメハ・スクール入学  カレオ・トリニダッドにフラを習う2010年から2012年
  •  大学1年生の時プロダンサーに
  •  現在はシーライフ・パーク内の「チーフズ・ルアウ」に週5日出演
  •  ”ハーラウ・ヒイアカイナーマカレフア”に入ったのは2014年~

以上が現在までのプロフィール

  •  母親と一緒に学んでいたハーラウはプリンス・ロット・フラ・フェスティバルにも出ていた
  •  2012年以降カレオ・トリニダッドがカネだけを教えるようになり、現在のハーラウへ

これが補足情報だ

 

 

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ミス・アロハ・フラは通過点、責任を感じる

 

ハワイイ音楽好きのおじさんがインタビューするので

他の、フラ・ガールを読者とするメディアとは趣が異なることを説明すると

「それは、とても楽しみ」との言葉をもらえたので安心して話を始めた

 

まずは、ミス・アロハ・フラに挑戦すること、そして、ミス・アロハ・フラになることは

フラ・ダンサーにとってどの様なことなのだろうか?

「ハワイイのダンサーのトップになることだと思っていましたが、

 挑戦することが決まったときには、ハーラウを代表して踊ることの名誉を強く感じました」

「ミス・アロハ・フラになってみると

 それは通過点であってミス・アロハ・フラとして

 どのような振る舞いをしたら良いのか、責任を感じています

 今はどのようなところで踊るときにも、自分がミス・アロハ・フラなのだということを自覚して

 それに見合ったパフォーマンスをしようと心がけています」と言う

 

 

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メリー・モナークでのカヒコは鮮烈な印象、オリは3ヶ月かかって覚えた

 

 

彼女の踊りを会場であるいはネットの映像で見た人は

カヒコのオリに度肝を抜かれたのではないだろうか?

驚くほど早く、言葉が多く、独特の抑揚

カメハメハⅡ世の母であるケオープオラニを讃えるオリだ

 

kepakepaと呼ばれるオリのスタイルです

(日本語では「ケパケパ」と書くが、彼女は「キャパキャパ」に近い発音)

 早くて長いオリで、今まで、このスタイルのオリをメリー・モナークでやった人はいないと思います」

 

今回、カムエラのダンサーのオリもkepakepaだったが、少し違ったスタイルだったそうだ

 

長くて、早いオリの覚え方は、クム・ケアノから少しずつ教わり、車や、iPhoneで聞き覚える

覚えたら、次をクムが教えてくれるそれを繰り返し、覚えるのに3ヶ月を要した

 

kepakepaは古いスタイルのオリで、伝えられていることを全て言わなくてはならないので、

長く、早いオリになる

独特の抑揚は、読み上げる名前などを凄く強調して言うために生まれる

そして、それが、とても難しいところだと教えてくれた

 

ハワイイの歴史上、高貴で位が高いと言われるケオープオラニ

 

ケオープオラニは、とても高貴で、多くのマナを持っていました

 ハワイイの歴史で重要な人物です

 私が何かを演じるのではなく、彼女がどの様な人であるかを

 見ている人に知ってもらおうと心がけました

 集中し、しっかり声を出し、はっきりと発音することを考えていました」

 

それが、あの迫力のオリになり、カメハメハⅡ世を讃える高貴なフラになった

レイフル(フェザーレイ)を付けた彼女は気高く、美しかった

 

 

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やりきったと思えたカヒコ

 

ネット配信をおこなっていた”K5”の映像を見ていた方は覚えているかも知れないが

カヒコを踊り終え、ステージから下りようとする彼女にカメラは寄っていきアップで捉えた

あの時の美しく、自信にあふれた表情が忘れられない

 

「ありがとう!

 私も、あとで映像を見ましたが、あの場面はとても好きなシーンです

 あの瞬間、やりきったという想いで、舞台から下りることが出来たので

 凄く自信にあふれて見えたのかも知れません」

 

”カイウ”にとって貴重な一瞬だったようだ

一日でカヒコ、アウアナを踊ることは気持ちの切り替えが難しいのではないか?と質問したが

 

「今回は、私にとってカヒコが難しかったのですが

 オリをやりきり、悔いなく踊り終わったとき

 自分の中でカヒコがしっかり完結しました

 アウアナは自分が楽しむ時間にしようと思いました

 あなたが印象的だと言ってくれた、あの瞬間に気持ちが切り替えられました」

 

あの、映像がアップになった瞬間、カヒコだけではなく

すでにアウアナの成功も決まっていたのかも知れない

 

 

 

男性の気持ちで踊っていました

 

その、アウアナは水色の柔らかいドレスで優雅に舞った

日本でもよく知られた、ラブソング「カ・マカニ・カーイリ・アロハ」

日本のフラ・ダンサーも多くの方が踊ったことがあるであろう曲

誰でもが良く知っている曲を踊ることは難しいのだと言う

 

あまり知られてない曲を踊れば、皆さんにとって、それが最初のイメージになりますが

 よく知られた曲というのは、観客の皆さんも、ジャッジも何らかのイメージを持って見ています

 そこが難しいところです
 

 
私は、この歌の新しいイメージを見せたいと思っていました

 曲が持つ真の意味を伝えたかったのです

 この歌の裏に隠された本当の意味まで伝えたかったのです

 この歌は単なるラブソングではなく、心が痛くなるような真実の愛が歌われています

 それが伝われば良いと思いました」

 

この歌は、奥さんに出て行かれてしまった男が、毎日、奥さんに帰って来て欲しいと願う

所謂、男の純愛を歌う、男性が主役になっている歌詞だ

その歌を、彼女はどの様なアプローチで踊ったのだろうか

 

  「男の人の目線で踊っていました

 だから、悲しい恋の歌だと思ったのです

 この男性は、もし、奥さんが自分と一緒にいても幸せでなかったなら

 どこかで幸せになってくれていたらそれで良い

 そう考えていたのではないかと思いました

 愛しているのに応えてくれない、悲しい愛なのだけれど

 それこそ、真実の愛なのではないかと、私の心に刺さりました

 完全に男性の気持ちで踊っていました」

 

踊っているときの笑顔は、男性が見せる精一杯の愛情表現であり

男性が、思い出として持っている、奥さんの笑顔であったのかもしれない

フラとは何と深いのだろう

 

さらに、この物語のエンディングはどの様になったと思うか聞いたところ

茶目っ気たっぷりに答えてくれた

 

「たぶん、奥さんは帰ってきたと思います

 最終的には、旦那さんの愛に気がつき

 ハッピーエンドになってくれたら良いと思いました

 そう思って踊りました

 

 冗談ですが…

 帰ってきたときには、旦那さんにとって、奥さんは必要なくなっていた…

 そんなことはないと思います(笑)」

 

 

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カ・マカニ・カーイリ・アロハは自分への挑戦

 

コンペティションで踊る曲は、全てクムが決めるそうだ

強みも、弱みも全て知っている彼らが彼女のために曲を決める

そして、今回はクムが彼女に大きな挑戦をさせたと言う

それは、とても内面的なことだった

 

「アウアナではラブ・ソングを踊りましたが

 個人的に、私は恋愛について秘密主義なのです

 あまり表に出さないし、自分の弱さを見せたくないタイプなのです

 そんな私が、悲恋について踊らなければならない

 それは私にとって、とても大きな挑戦でした

 私らしくない、苦手な表現をしなくてはならない曲でした」

 

クムが与えた、試練を彼女は見事に乗り越えた

 

アウアナの演奏では、今年のナ・ホク・ハノハノ・アワードの受賞者

”チャド・タカツギ”の顔が見えたので、ミュージシャンについて聞いてみた

 

「そうです、チャドのバンドが演奏してくれました

 それも、クムがミュージシャンを決めて

 アレンジなどもクムとミュージシャンで全て決めてくれます

 私のハーラウでは、音楽についてはクム・ロノが中心になっています

 練習は、クムとミュージシャンが作ってくれたCDでおこないます

 ミュージシャンと実際に会って合わせたのは短い時間で2回ぐらいです

 

 チャド達は素晴らしいプロですから、アレンジの変更などもスムーズでした

 お互いに提案をして、良いモノは取り入れ、すぐに修正、スムーズでした

 (iPhoneで写真を見せてくれ)

 この写真はメリー・モナークのバックステージです

 私の出番の、2人前に全員が集まって合わせています

 実は、全員が揃って、フル・コーラスで合わせたのはこの時が始めてでした

 

 それでも、踊っていて、絆や繋がりを感じることが出来ました

 私のために練習を重ねていてくれたと良くわかりました

 彼らは、トレイシー・ロペスのハーラウの演奏もしていましたが、どちらも完璧でしたね」

 

達人同士の関係とはこのようなことなのかも知れない

”阿吽の呼吸”

 

そして、こんなことも考えていたと教えてくれた

 

「彼らは、素晴らしいプロなので、私はお任せするという想いでした

 ソロなので…

 グループだと、間違えたら大変ですが、ソロなので何とかなると開き直っていました(笑)」

 

 

 

ハワイイの親善大使として

 

ミス・アロハ・フラとなって、ハワイイ文化を伝えていく立場になった”カイウ”は

どのように、ハワイイ文化を捉えているのだろうか

 

「ミス・アロハ・フラは、ハワイイの”親善大使的”役割もあります

 ハワイイ文化を伝え、外に発信していくことが

 ミス・アロハ・フラの勤めだと思います

 

 以前から、ハワイイ文化に興味はありましたが、より思いは強くなりました

 ハワイイ語を私たちが使わなければ消えてしまう

 ハワイイの歴史的背景を考え、この文化をなくしてはならないと思うようになったのは高校生の頃からです

 

 ハワイイの家庭、全てでフラが踊られているわけではありません

 私の家庭にはフラがありました

 育った家庭によっても、それぞれの役割は変わると思います

 

 ハワイイの伝統はフラと音楽だけではありません

 私はウクレレを弾く人がいる、フラのある家で育ちました

 パニオロの家で育てば、そこで学び、身につける伝統があります

 私の家では、フラと音楽のプライオリティーが高かったのです」

 

近年、オアフ島には多くの高層コンドミニアムが建てられ

ワイキキもありきたりの、近代的な街並みになってしまっている

小さな「パパ・ママ・ストアー」と呼ばれるような個人商店が減っていき

寂しさと違和感を感じていると

ハワイイが大好きな、外の人間として感じていると伝えると

個人的な意見だがと前置きして話してくれた

 

「本当に、近代化が進み、小さな店がなくなってしまっています

 私の街からは電車が走ろうとしています

 便利になりますが、悪い影響も出てきています

 ホームレスも増え、物価も高くなっています

 普通の人達が住みにくくなっています

 

 たとえば、マウナ・ケアの天文台についての問題も大切なことですが

 私たちの身近な問題も同じく大切だと思います

 同じように取り組むべきです。

 

 文化伝統を守ろうとする人もいますが、

 そのことに、興味の無い人、外から入ってくる、流行のものが好きな人が多いのも事実です

 私の役目は少数派と思われる伝統を守ろうとする人をサポートすることだと思います」

 

文化を守る、大切なことだが、時代と調和を取りながら進めていく難しさ

経済活動とバランスを取りながら、皆がハッピーになる道を模索する困難は計り知れない

それは、ハワイイだけの問題ではない、言うまでもないことだが

 

”カイウ”たち、ハワイイの歴史と文化を受け継ぎ、伝えていく覚悟を持った若者が

良い方向に、ハワイイを導いてくれるのだろう

 

 

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カイウの次の目標とお奨めのお店

 

 

ミス・アロハ・フラになる目標を成し遂げた”カイウ”

次の目標は、

「自分のカンパニーを立ち上げてダンス・ショーをやること」だという

その夢が、かなって欲しいと思うし、それは近いうちに多分かなうであろう

 

最後に、日本の皆さんにメッセージをお願いすると

少し考えて

 

 「ありがとう!

 ハワイイアン・カルチャーを学ぼうとし、私たちの小さな島を愛してくれて

 いろいろな国の人達が、フラやハワイイ音楽を楽しんでくれるのはとてもうれしいことです

 もし、ハワイイで私に逢いたければ、シーライフパークに来てください

 

もう一つ最後に、ハワイイで彼女おすすめのお店を聞いてみた

 

 「沢山あるのですが…

 私のおばあちゃんのハワイイ料理はとても美味しいけれど

 お店はやっていないので、皆さんに食べてもらえません。(笑)

 

 (そして、カリヒのハワイイアン料理を教えてくれたのですが…気が変わって)

 ちょっと待って、「ハイウェイ・イン」がいいと思う

 とても美味しいから、行ってみて!」

 

 

”カイウ”は美しく、聡明で質問に誠意を持って答えてくれた

そして、ユーモアのセンスも持ち合わせていて、楽しいインタビューになった

 

女性に、この様な表現はどうかと思うが…

とても「男前な女性」だった

今後、数多く日本を訪れることになると思うが

益々、輝きを増していくであろう

2017年のメリー・モナークでも

”ハーラウ・ヒイアカイナーマカレフア”の一員として

美しく踊っていると思う

(聞き手・写真:すずきしゅう  協力:ナ・ヒヴァヒヴァ・ハワイ)