「ハワイ固有種といわれる貴重な存在」
2007年03月21日
コレアという鳥をご存じですか?
ハワイ固有種といわれる貴重な存在
皆さんはコレアという鳥をご存知ですか?英名をPacific GoldenPloverというチドリの一種で、ここハワイでは8月から4月頃の間、公園の芝生やゴルフコースなどで見かけることが出来ます。地味な羽色 ですが小走りに緑の上を移動し、つぶらな瞳でじっとこちらを窺っている姿はとても愛嬌があります。実はこの鳥、ハワイの固有種と言われる貴重な存在な上、 その生態がとてもユニークなので、ハワイの雑学のひとつとして知っていただきたくご紹介します。
私 が週に1度ボランティアでドーセントを務めるイオラニ宮殿には広い芝生の庭があり、メジロや桜文鳥、スズメに小鳩に九官鳥、真っ白なアジサシや赤い帽子の カージナルなど、様々な鳥たちの楽園となっています。観察しているとそれぞれに特徴があってとても楽しいのですが、そんな中でもとりわけ興味を引かれるの がコレアです。古代ハワイ、まだ口承文化だった頃から詠唱にも登場するこの鳥は、ハワイとアラスカを行き来する渡り鳥で、あんな小さな体のどこにそんなエ ネルギーがあるのだろうという位、素晴らしい飛行能力を持っています。なんと3000〜4000マイルの距離を高度4マイル、ノンストップで50時間ほど をかけて移動するという、びっくりするようなパワーの持ち主なのです。
今 ではだいぶ調査・研究も進み色々なことがわかってきましたが、謎の部分も残る彼らの生態には、自然の営みのすごさを改めて感じさせてくれるパワーが秘めら れているような気がします。ハワイは彼らにとってもリゾート、のんびりと暖かい冬を過ごす場所で、毎年8月頃になるとあちらこちらから市民の目撃情報が寄 せられます。その中には、「今年も我が家の庭に○○ちゃんが帰って来ました。」といったものも多く、同じ鳥が同じ場所へ帰って来るというこの鳥の習性を知 ることが出来ます。移動は集団で行っているようですが、帰って来るとそれぞれの場所へ散らばって行き、大概は1羽単独で自分の縄張りを守って生活します。 この縄張り意識はとても強く、人が近寄ると大抵は逃げますが、あまりしつこくすると向かって来ることもあるくらいですし、他の鳥達に対しても同様で、強気 の九官鳥(ハワイではマイナバードと言われます)もタジタジの場面に良く出くわします。
4 月に入ると、暖かいハワイを満喫し、美味しいエサをたっぷり食べて丸々と太った体には、燕尾服のように見える黒い模様の羽が生え揃い、旅の準備が出来たよ うです。これまでの市民からの報告では、アラワイ運河沿いの緑地やカハラ地区の公園などに続々と集まって来た鳥達が、ある日一斉に飛び立って行ったという 目撃談があり、このようにしてアラスカへと旅立って行くようです。
さ て、アラスカでの生態については、その調査地区が辺鄙なツンドラ地帯であるという事情もあってか、あまり詳しいことはわかっていないのですが、美しい羽模 様を誇示したり、羽を震わせる求愛行動が他の鳥のように見られることが判明していて、その結果番いになったカップルは巣作りを始めます。天敵の少ないツン ドラの地を選んだのも自然の知恵なのでしょうか?
メスは4個の卵を産み、26日で羽化し雛が誕生します。そしてここからがこの鳥の凄いところです。雛は数日で自分でエサを食べられるようになり、30日も すると飛べるようになるのだそうです。かなりのスピード成長ですね。そしてなんと親達は若鳥達を置いて先にハワイへ向けまた飛び立ってしまうのです。残さ れた若鳥達は親が旅立った後もう1ヶ月ほど留まって栄養を蓄えた後、初めての長距離飛行に出るのです。
若 鳥達がどうやって遥か離れた目的地ハワイの位置を知るのか、そのうちの何パーセントが辿り着くことが出来るのか、このあたりはまだまだ未知の世界ですが、 コレアはそうやって何千年も年に2回の渡りを続けてきたのです。ハワイに到着した鳥達の体重は出発前の1/2ポンドから1/4ポンド(半分)にまで激減し ているそうで、私はこの話を初めて聞いた時、本当に感動しました。そして改めて見る彼らの姿の何といじらしいこと。こんな素敵なストーリーを持つ鳥がハワ イにいるなんて、やっぱりハワイは自然の豊かなところなんだなと、しみじみ思う次第です。
皆さんも今度のハワイ旅行の折、時間があったらコレアを探してみて下さいね。by Sylvie



