"Short Story002"
2008年04月23日
"The Long And Winding Road"
毎月、連載などといっていたのに10ヶ月近くも経ってしまったのは「Shu」氏が原稿を送ってこなかった、ただそれだけの理由です。本人は深く反省しておりました。
今回のお題は"The Long And Winding Road"
「Matt」氏は 前回の続き、「Shu」氏はまたもや恋の終わり話、そして「海流(かいる)」氏も
不思議なネタで早々と参戦して来ました。
第一回目は「海流(かいる)」氏、圧勝の様そうでしたが今回の皆さんの判定はいかがでしょうか?
次回は時を置かずにアップすることお約束いたします????
The Long And Winding Road by Matt
君がいた夏 02
Aloha!Summer
人生には、一度きりの素晴らしい夏がある。
Honolulu空港の国際線専用Exitは、
団体出口と個人用出口と2つある。
個人用Exitでレイをもって
彼女が出てくるのを待った。
いつまで待っても出てこない?
イミグレで止められているのか?
路肩に止めているトラックが気になり一度外に出てみた。
あ!
路肩に止めてある、ぼろトラックの前に
体より大きいかと思うくらいのバッゲージをもった
彼女が泣きながら、独りぼっちで立っていた。
こちらに気がつき、手荷物まで放り出して飛びついてきた!
「Aloha!! Welcome to Hawaii!」
こんな在り来たりな言葉しか見つからなかった。
1年ぶりの彼女は、髪を肩まで切り、少し痩せていた。
荷物を荷台に乗せ、トラックのエンジンをかけた。
彼女は何も言わず、トラックに乗り込み
始めて、にこりと笑みを浮かべてくれた。
H1からNimizu H.Wへ入りAlawaiの僕のアパートに向かった。
Alawai運河に面していて、低層階のぼろアパートの3階が僕のねぐらで
良く言うとオールドハワイイな感じの集合住宅だ。
到着するなり、彼女は僕のベッドにダイブ!
疲れていたのだろう、
そのまま寝てしまった。
なぜ、彼女はこんな遠くまで来たのだろう?
こんな大平洋の真ん中の小さな島に?
まだ僕は理由も聞けずにいる。
ラナイに出てたばこに火をつけようとすると
マヌアの渓谷に大きな虹が出ていた。
これからひと夏、どんな生活が待っているのか
長く先の見えない未来に希望が訪れた気がした。
The Long And Winding Road by Shu
何かが終わって始まる旅がある。
一つの恋が終わって旅に出た。
僕の「TheLong And Winding Road」
ホノルルの風は優しかった。
二人の楽しかった時間を忘れるためには、
君と数え切れない日々を過ごしたこの島でなければ。
日記をめくるように忘れていたことも思い出してみたいと思った。
そうしたら一つの物語を終わりにすることが出来るはずだ。
いったい何日かかるのか、想像もつかないけれど。
君とこの島に何回訪れたのかも思い出せない。
いつも泊まるのは小さな気持ちの良いホテルだった。
君が広告の仕事で新人賞をもらった時にも一緒にこの島にやって来た。
お祝いだから、ビーチフロントの三つ星のホテルに泊まろうよと言ったら、
「水着で歩いてプールに行けないところはいや、
荷物もってエレベーター乗るなんて考えられないし、
ビールを飲みながらプールサイドで月を見るのが私は大好きなのよ、
それが出来ないなら、あの島に行く意味がないわ」と君は言った。
そして、いつものホテルに泊まった。
その年から君はびっくりするくらい忙しくなった。
僕は少し焼きもちを焼いた。
でも、君はいそがしそうな素振りなどまるで見せずに毎日を過ごしていた。
そんな君が大好きだった。
ケンカをすると、いつも最後に
「私の一番すてきな時をあなたのそばにいてあげているのに、君のその態度はなに?」と
言ってすごく優しい笑顔を浮かべた。
僕も100倍くらい優しい笑顔を返していつもの生活に戻った。
別れた理由は沢山思いつくけれど、別れない理由はもっと思いつく。
人生の全ての出来事に教訓はあるモノだと書いていた作家がいたが、
この別れにはどんな教訓があるのだろうか。
島について9日目の夜中に目が覚めてしまった僕は車でダイヤモンドヘッドの下を通り抜け、
マカプー灯台へあがる道までやって来た。
真っ暗な坂道を灯台目指して歩いた。
灯台の横の大きな石に腰掛け東の空を眺めていた。
空が少しずつ茜色になり、やがて僕も空と同じ色になった。
また一日が始まる。
昨日とは違う新しい一日が。
「どんなことにだって、入り口と出口があるモノなんだ」と
僕はつぶやいた。
午後、僕は飛行機に乗った。
何も忘れられなかった。何一つ終わらなかった。
でも、僕は次の入口を探すことにした。
友人の海流(カイル)君が、今回もメールを送ってきました。
前回、評判が良かったと知らせたところ調子に乗ったようです。
The Long And Winding Road by 海流
結婚式にたどり着いてしまった・・・・ 最初は私の望んだことだった。
彼女が結婚に同意してくれたのはプロポーズしてから1年も経ってから。
その間に引き返すチャンスは何度もあったのに、
私は闇雲に前進だけを続けてしまった。
女の人は何故こんなに変わってしまうのだろう・・
「今はあなたと結婚できない・・・」
とまどいと、微笑みをキレイにブレンドさせて
気高く、
僕の申し出を断り続けた彼女はもう何処にもいやしない。
結婚が決まってからは、長く辛く曲がりくねった道だった。
僕はUターンを何回も試みたが許してもらえなかった。
マンションのローンも組んだ、家具も彼女の好みだ、
結婚式さえ私の意見は全て無視された。
あの気高い微笑みも今はない。
大型薄型TVの前でお笑いを見ながら爆笑している別の生き物がそこにいた。
結婚式も洋装、和装両方、着ると言い、3回も着替えがえることになった。
文金高島田で顔が真っ白になった彼女の横に私は置物のように存在感無く座っていた。
来賓の挨拶が続いていたがほとんど私の知らない人だった。
来賓の知らない人が親しげに二人の名を呼んだ。
私たちは軽く頭を下げた。
その時、私の左側で何か黒い大きなモノが落下し、瞬間的に持ち上げられた。
何事もなかったように。
来賓の話は続いていたが・・・・・
彼は私たちを見ると困ったように笑いながら言った「縁起がよろしい」
そしてそそくさと話を終わりにした。
式場は少しざわついていた。
彼女の前に置かれていた「伊勢エビのオーロラソース掛け」がお皿から無くなっていた。
式場の女性が目を見開いてこちらに走ってきた。
その視線の先には彼女がいた。
彼女の頭上には、長いひげの立派な伊勢エビが鎮座していた。
オーロラソースがキレイに輝いていた。
誠にめでたい光景だった。
僕の長く辛く曲がりくねった道が、一瞬だけ平坦な一本道に見えた。
それが錯覚であったことはいうまでもないことだが・・・・・・




