後半は彼のハラウ「ハラウ・ナ・カマレイ」の話から始まり、フラに対する思い、日本のフラに対する印象なども伺いました。そして、お奨めの食事処からお気に入りの場所まで教えていただきました。

「彼らは私の人生そのものです」

─あなたのハラウ「ハラウ・ナー・カマレイ」はどんな存在ですか。
■Robert:ま ず、ナー・カマレイとは、‘Lei of Children’という意味です。ハワイの女性にとって、初めてのレイは子供だと言われています。なぜなら、女性が子供を宿したとき、子供はレイのよう に母親の体を囲みます。ハワイイ語で「カマ」とはチルドレン(子供)という意味です。私がこのハラウをはじめたころ、フラ・ステューデントたちは皆若く、 15歳、16歳くらいでした。今はもうみんな良い年になっていますがね(笑)。ナー・カマレイは、私にとって、素晴らしい人生の一部、そして、私の家族で す。私のフラの先生(クムフラ、アンティ・マイキ)が書いた本があります。「フラ・イズ・ライフ」という本です。私も彼らに、「フラ・イズ・ライフ」とい うことを教えています。フラを踊っているときでさえ、人生について学んでいるわけです。私たちは、「フラ・イズ・ライフ」ということを信じています。そし て、彼らは私の人生そのものです。

─今年も11月にパンパシフィック・フラ・エキジビションが行われますが、プロデュースをなさっている立場から抱負をお聞かせください。内容なども教えていただけますか?
■Robert:今 年で5回目になります。このエキジビションはもともと、コハラカンパニーのヒデ・カラニモク氏の発案だったのです。最初この話を持ちかけられたときは、正 直、断りました。でも、ヒデ氏たっての願いでもあり、良い友人ですから、了承しました。今は、始めてよかったと思いますよ。とても、ハッピーです。なぜな ら、5年も続いていますからね。
今年もサプライズを用意していますが、今はいえません。まだ秘密です。もちろん、ハワイイから参加するハラウとは(サプライズ)の相談はしていますけれど ね(笑)。今年は東京、世田谷で行われます。私のハラウはもとより、ハワイイから7組か8組のハラウが出場します。是非みなさんいらしてください。

─最近は実に多くのハワイアン・ミュージシャン、ダンサーたちが日本に来てパフォーマンスをしているとおもいますが、どのようにお考えですか。
■Robert:少 し多すぎるかなとは思います。しかし、ハワイアン、フラがとてもポピュラーになっている現状については、いいことだと思います。しかし、フラをやるにあ たっては、付随することがたくさんあります。例えば、衣装、曲、レイ、ミュージシャンなどです。まるで、たこの足のようですね。いいことだと思うのですけ れど。ハワイアンとして、私は、気をつけないといけないことがあると思うのです。それは、どのカルチャーにもあることですが、ハワイアンの中にも良い人も いれば、良い人と呼べない人もいます。ですから、出来る限り、善良な人(良い人)が日本に来て欲しいと考えています。ヒデ氏に最初、日本でフラを教えては どうかといわれたとき、断りました。なぜなら、文化を正しく伝えずに、本物ではないフラを教えた人たちがいます。正しく教わらなかった日本人に私がもう一 度正しいフラを教える、つまり間違えを正すということはしたくはありませんでした。正したことによって、間違えたフラを教えたハワイアンとの対立も望んで いませんし、誰も怒らせたくはないからです。しかし、最良・最高のフラの水準を伝えることが大切だと思ったので、日本でフラを教えることにしたのです。

「ハラウの30周年、メリーモナーク出場」

─最高のフラと言えば、来年のメリーモナークに出場なさるとお聞きましたが?
■Robert:そ うです。考えると頭が痛くなりそうです。お金も時間もかかるので。しかし、すばらしいと考えていますけれど。来年、2005年、私がフラを教えるように なって30周年を迎えます。メリーモナークへの参加は、30周年をお祝いする記念としてのものです。私たちが継続して励んでいるフラを披露する目的もあり ます。

─前回の出場は何年前のことになりますか。
■Robert:6 年前です。普段は10年ごとに出場するのですが、来年は、先ほども言ったように、30周年ということもありますが、ご存知かもしれませんが、メリーモナー クには、年齢制限があります。55歳以上は出場できないのです。ですから、来年出場することによって、何人かの私のフラ・ステューデントたちにもう一度 (出場)チャンスを与えてあげたかったのです。すでに、2人のダンサーが年齢制限を越えているため、メリーモナークには出場できません。自分も含めてこの 3人が55歳を超えているのです。(ロバートさん悲しそうな顔をする。)そのため、来年出場することにしたのです。

「5人のハワイアンカルチャー・フィーリングを表現できるダンサーを知っている」


─日本のハラウやフラダンサーについては、どのような感想を持ってらっしゃいますか?
■Robert:素 晴らしいダンサーはたくさんいます。本当にびっくりさせられることがあります。ハワイイのフラダンサーよりも素晴らしい人がいるのです。もちろん、同じよ うに、ハワイイでも素晴らしいダンサーはたくさんいます。と同時に、素晴らしいとは言えないフラがあるのも事実です。それは、日本のフラダンサーについて も同じことです。

─技術は優れているが、ハワイイに住んでいない、言葉の壁があるといった理由でハワイイのダンサーと比較して理解力、表現力などで劣っていると感じますか。
■Robert:そ うですね、例えば、「ペレを感じる」ということは難しいでしょう。それを、どのように感じるかを伝えるかは難しいですね。日本でフラを教えるとき、通訳を 介して意味を説明するのですが、まず、ハワイイ語から英語、そして、英語から日本語に直すわけですが、これはまた難しいのです。
他の例を挙げれば、「どのくらい愛しているか」ということを、ハワイイ語で「ピリ・イカ・リニ」とは、英語で、Close to my skin、という意味ですが、その人をとても愛しているために「自分 の肌の下にその人を感じる」といったことなのですが、これを日本語で、また英語で説明することすら大変難しいのです。さらに、ハワイアン・カルチャーは、 タッチ、相手に触れることで愛情を表現することが特徴的です。アメリカン・カルチャーでは握手、抱擁など、日本のカルチャーではお辞儀などと習慣が違うの ですから無理もありませんが。しかし、そういったカルチャー、言葉の壁といった、困難を乗り越えて、ハワイアンが意味するカルチャーを感じ取り、フラでそ のフィーリングを的確に表現できる日本人はいるのです。私が長年日本にきて日本人のフラダンサーを見てきて、5人のハワイアンカルチャー・フィーリングを 表現できるダンサーを知っています。また、少なくとも、その人たちはハワイアンカルチャーを理解し、的確に表現できていると私に信じさせるようなフラを踊 れているのです。

「Hula is Life」

─フラを勉強している人に大切で、簡単なアドバイスをいただけますか?
■Robert:ハワイイのフラ・ミュージック、ピープル、そしてカルチャーを愛してくれているすべての人々に対して、感謝申し上げます。Mahalo Nui Loa!
私が先生から教わったことは、「 Hula is an art of Hawaiian Dance」フラとは聞いたこと、見たこと、香り、味覚、触れたこと、そして感じたことを表現することです。そしてフラは芸術です。どうか、忘れないでほ しい、Hula is Life. ハワイアンカルチャーを愛していてくれてありがとう。

─もし、日本人の男の子で、ハワイイに住んでいて、ハラウ・ナー・カマレイでフラを学びたいと思ったらそれは可能ですか。
■Robert:い い質問ですね。三年に一度だけフラスチューデントを募集します。なぜ三年に一度かというと、そんなにたくさんの生徒は要らないからです。なぜなら、一人一 人の生徒に対して真剣に指導していきたいからです。そんなにたくさんの生徒がいたら、ステップや、手の角度などきめ細やかに指導ができないと考えるからで す。今回募集をしましたが、3人の新しい生徒が入りました。新しいクラスは、年内にはスタートする予定です。

─日本人でもハラウに入れますか?
■Robert:少なくとも、5年は続けてもらうことが必要です。ただし、5年間その地にとどまって勉強してもらうことが条件です。5年の間に日本とハワイイを往復して、ということではチョッと困りますが。
基本的には、どんな人にでも教えてあげますよ。私の指導の方法は、次のようです。数ヶ月、ステップなど基本的な動きの練習をします。その後、何人かに絞り 込んでいくわけです。また、私より太っていてはだめなのです(笑)。

─ハワイアンであるということはあなたにとってどういう意味を持つことですか。
■Robert:と ても責任を感じます。そして、名誉に思います。何かを人に言うときに、自分の両親、先祖の存在を常に感じます。つまり、こういうことです。あなたがこちら にいて、私があちらにいてお話をしているとしましょう。自分の後ろには何千人ものハワイアンの祖先がいて、見守っているのです。彼らのサポート、強さ、ス ピリット、を感じています。私は、彼らに対する責任を理解し、感じています。

「お薦めは『とっくり亭』」

─ここらで、気楽な質問させてください。これからハワイイに行く人のために、あなたがハワイイでリラックスしたいと思ったときに行くお薦めの場所などあっ たら教えてください。
■Robert:た くさんありますね。ビーチにいくのが好きです。ビーチはたくさんあり、それぞれ特徴があり、場合によるけれど、ハワイ島、カウアイ島のビーチがベストだと おもいますが、オアフ島では、ノースショアです。それから、私は、ホノルルに住んでいるので、カイマナビーチに行くのが好きですね。カリフォルニア州で は、北カリフォルニアにあるチコという場所が好きです。食べ物では、私は日本食が大好きなんです。小さいころ、私は多くの日系人とともに育ちました。そし て、子供のころ、母親に、「僕は日本人だよ」なんていっていたくらいです。それに対して母親は、「いいえ、あなたはハワイアンですよ。」「いや、僕は日本 人だよ。」なんて言い合いをしたものです。ハワイイにあるお気に入りのレストランはといえば、「とっくり亭」です。日本を感じたいときは、「とっくり亭」 に行くのです。また、その他のお気に入りの場所は、飛行機の中です。特に、日本行きの飛行機に乗るときは、長い間飛行機に乗っているわけですから、読書を したり、考え事をしたり、だれからも電話がこないし、映画を見たり、眠ったり、飛行機の中も実はお気に入りの場所なんです。面白いでしょ。

─オアフ島にしか行ったことがない旅行者が多いと思うのですが、オアフ島の次にいくとしたらどこの島を薦めますか。
■Robert:ハ ワイイ島(ビックアイランド)ですね。ハワイイ島は一番「スピリット」を感じる場所だと思います。なぜなら、私の家族がハワイイ島出身ということもありま すが、火山があるからです。日本人は火山や溶岩に対して大変理解や知識があると思います。日本の火山にはペレはいないけれど、ハワイイ島の火山にはペレが いるでしょう。でも、日本人は火山に対して「リスペクト」があると思うのです。「リスペクト」は、日本語でなんと言いますか?尊敬?日本人はハワイイの火 山・自然に尊敬の念をもってくださっているのだと思います。ハワイイの人々も尊敬の念をもっていますが、日本人のように、もっと尊敬の念をもって人に接し ていければいいと思うのです。毎回、日本に来るたびに新しいことを学びます。日本人は人に対して尊敬をし、感謝し、人に良いことをしようとしてくれます。 ありがとうございます。(日本語で。)

─最後に日本にいる多くのあなたのファンにメッセージをいただけますか。
■Robert:す べての私たちの友達の皆さん、是非私たちのコンサートに来てください。ハワイイに来てください。ハワイイの島々を訪れてください。ハワイアンミュージック を聴いてください。好きであれば、フラを踊ってください。いつも逃げちゃいますけど、私を見かけたら一緒に写真を撮ってください(笑)。今日は、お話を聴 いてくれて、そして私のインタビュー記事を読んでくれて本当にありがとうございました。
最後に、このウエブサイトでのインタビューの機会を持てたということは、たいへん光栄なことと考えています。ありがとうございます。
こうしてお話できることをとてもハッピーに思います。ありがとうございます。
よろしくおねがいします。(日本語で)

(2004年9月18日 東京 昭和女子大にて)


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