世界中で大ブームを巻き起こしている「Havaianas」。
キャメロン・ディアスなどのセレブにも多くのファンを持つビーチサンダル。
ファッションシーンのアイテムとして今最も注目されています。
でも、「Havaianas」は¥1500から買えるビーサンなんです。
ビーさんといえばハワイ好きの必需品、名前も「ハワイアナス」、にもかからわず実はメードインブラジル。ボサノバの国のビーサンです。
これは8011web,comとしては、是非お話を聞かなくては行けないと言うことで
日本での輸入代理店 カメイ・プロアクト(株)ハワイアナス チームリーダー 大塚肇氏にお話を伺いました。

─最初にハワイアナスについて教えてください。
■大塚:ハワイアナスというのはブラジル、ポルトガルの言葉で、ハワイアンという意味です。
ブラジル・メードのビーチサンダルですね。
なぜブラジルでビーチサンダルかと言うことを少しお話しますと、1908年に日本から最初の移民の方がブラジルに渡りまして、大変な苦労をされながら、今 日のブラジルでの日系人社会というものを築き上げてこられました。
現在、約150万人の日系人の方がいらっしゃると聞いていますが、もともとはその方たちが草履だとかわらじをブラジルに持って行ったのですね。当時は履物 と言えば草履ぐらいしかなかったと思うんですけれども。
それをモチーフにして1962年にはじめてビーチサンダルと言うものをブラジル、サンパウロのアルパルガタス社という会社が作り始めたと言うことです。
もともとアマゾンは天然ゴムが豊富にとれる、さらに革靴を履いて仕事をしている人がまだ少なかったということで40数年前にビーチサンダルを作り始めたの が最初なんです。
当時、ブラジルの人たちにとってハワイは憧れの地だったと言うことでハワイのつく名前「ハワイアナス」をつけたというのが由来で、名前はそのままずっと変 わらず、使い続けているんです。

─日本ではいつから販売され始めたのですか?
■大塚:弊社がハワイアナスを輸入し始めたのは1995年ぐらいなんです。
取引をしているアルパルガタス社という企業があり、民間企業ではありますが、約11万人くらいの雇用を抱えている南米で一番大きな企業で、傘下に様々な分 野の企業がありまして、サッカー用品のTOPPERとうブランドも持っていまして、私共では90年代はじめの頃からTOPPERブランドを輸入していまし た。


そのTOPPERの会社が、実はうちのメイン商品はビーチサンダルなんですよというんです。ビーチサンダルのような鼻緒のついた履物っていうのは日本人に とっては馴染みのあるものだし、日本でも売ってみませんか、という話をいただいて、じゃあ日本でテスト形式で売ってみましょうということになって、売り始 めたのが7、8年ぐらい前だったんです。
その当時は夏のひとつのアイテムという程度で、それほどビーチサンダルが世の中で注目を浴びるなんてことはありませんでした。


その後2002年に、アルパルガタス社のアンジェラ・平田さんという日系の方が、輸出部長になられて、彼女が中心となって、2002年からビーチサンダル を世界中に広めるというプロジェクトが新しくスタートしました。


まずはヨーロッパでどうしようかと戦略を立てまして、昨年、パリのプランタンのショーウィンドウ、全部で23箇所あるうちの7箇所を、全部ビーチサンダル でディスプレイしたんです。これが、ヨーロッパで非常に話題になりまして、このことによって、プランタンにもハワイアナスが入っている、ギャラリーラファ イエットにも、ハロッズにも入っている。ヨーロッパの有名百貨店、有名セレクトショップのほとんどにハワイアナス、ビーチサンダルがちゃんとしたファッ ションアイテムとして取り扱ってもらえるようになったのです。


それと同時にアメリカでも仕掛をしました。
アカデミー賞にノミネートされた方たち全員にビーチサンダルのスペシャルモデルをプレゼントしました。
これが2003年モデル、これは2004年、2005年と毎年違うスペシャルバージョンを用意しました。
アカデミー賞の期間というのは1週間ぐらいありまして、皆さん家族も一緒に連れて行くし、ガールフレンドなども連れて行く。当事者は式場にいますけれど も、それ以外の方はホテルにいらしたりするでしょうから、そういう空いている時間にハワイアナスを履いてもらおうと考えました。ハリウッドに精通したルー トもありましたので、ノミネートされた方の部屋のベッドメイキングが終わった後に、ベッドの上にスペシャルモデルを1足ずつプレゼントとして置かせても らったんです。
そうしたら、ジャックニコルソンが、オスカーは取れなかったんですけれども、正装にビーチサンダルで、レッドカーペットの上を歩いて出てきたんです。
それをニューヨークタイムスの記者が見つけて、なぜビーチサンダルを履いているんですかと質問したら、「私は今回オスカーは逃したけれども、世界でもっと も有名なビーチサンダルを手に入れることができて、これが私にとって今年一番名誉なことだった」とコメントしたんんです。そしてそのコメントがニューヨー クタイムスに載ったのです。
その話が、新聞、テレビを通じてワァっと広がって。


さらにキャメロンディアスが、彼女もサーフィンをやっていますから、そのハワイアナスを履いて買い物したりしているシーンを写真に撮られたりとか、そうい うセレブと呼ばれている人達が履いているビーチサンダルということで一気に火がついたんです。


日本でも、去年、ルイ・ヴィトンの中に特別な会員のために設けたメンバーズサロンCELUXがあるのですが、そちらとコラボレーションさせていただいて、 スワロフスキーのクリスタル付きスペシャルバージョンを作ったりもしました。


ニューヨークでは、五番街にあるH-STURNジュエリーという宝石店とのコラボレーションで、2万ドルのビーチサンダルが作られました。約220万ぐら いですね、ゴールドとダイヤが散りばめてあるのですが、なんと驚くことに、この商品が一か月で40足ぐらい注文が入ったということです。日本ではちょっと 考えられない。


5番街だからやはり、それぐらいのお客様がいらっしゃるのだなって思いますが。
こんなふうに究極のアナログ商品に、様々な付加価値をつけて販売したりもしています。
スペシャルモデルを提供したり、有名デパートで販売されていたり、憧れのセレブがはいていたりするのだけれど実際にはみんなが買える価格の商品であって、 一番安いものは1000円位からあるビーチサンダルだ、と言うことがハワイアナスのブームにつながってきたと思っています。


その一方で、東ティモールの路上で裸足で歩いている子どもたち3500人に、ビーチサンダルを寄付しました。裸足でなくて、履物を履いた生活をしていきま しょうということなんですけれども。
そのほかに、今年の商品にIPEというモデルがあります。これは、ブラジルにIPEというNGO団体があって、絶滅しそうな3種類の動物を保護するために 活動している団体です。このモデルの売上を全部このNGO団体に寄付しましょうという活動もしています。
われわれもブラジルの会社を通じて、この活動に寄付しているんです。


ハリウッドだったりセレクトショップだったり、非常に金銭的に豊な人たちをターゲットとするビジネスをしていながら、一方ではこういう社会的な活動をきち んとやれるブランド、やれる会社っていうところで、世の中から評価していただいているということもあると思います。われわれもそういうブラジルの姿勢と同 じ考え方で、日本国内でも進めて行きたいと考えています。

 

─ここ数年、世界中でこれだけ話題になっているのはプロモーション力という事でしょうか?
■大塚:そうですね、プロモーション力だけではなく、ハワイアナスのコンセプトに各地域の代理店が賛同して、その上でプロモーションを地域の特性に合わせてやってきたことなのだと思います。
ただ単にブラジル製のビーチサンダルを世の中に出そうと思っても、今は中国が履物に関しては非常に強い勢力で、強いビジネスをしています。値段だけならお そらく中国製には勝てない。クオリティーでいえば間違いなく勝てるのですけれど。そこでブランド品としての価値を高めて展開していくことを考えた。その時 に有名ショップ、有名ブランドとコラボレーションしてお互いにブランドを高めていくということが、ハワイアナスの方法だったのですが、それが非常にうまく いったと言うことでしょうか。


─コンセプトに共鳴した日本の考え方はどの様なことなのですか?
■大塚:ビーチサンダルですから、本来ならオンザビーチとう言葉が当てはまるのでしょうけれど、ハワイアナスに関してはオフザビーチ、いつでもどこでもビーチサンダルを履いて過ごせるっていうスタイルを僕らは作って行きたいのです。
それがちゃんとTPOに合っていて、人に不快感を与えないスタイルであれば良いと思っています。これから日本のファッションもそういう方向へどんどん変 わっていけば楽しいのではないかと思います。


─ファッション全体、ビーチサンダルも含めた形での何か提案をしたいとお考えですか?
■大塚:私 たちはあくまでもビーチサンダルブランドとして展開していこうと思っていますから、洋服を作ったりジーンズを作ったり、というような方向ではなく、それよ りも1億2千万人の日本人の方に、毎年1人1足、1億2千万足買っていただけるような、そういうビーチサンダルになればいいなというのが目標ですね。

─昨年はどのぐらいの数を販売されたのですか?
■大塚:2003年だと日本に入れた数は5万4千足ですね。2004年が11万足。2005年は一応33万足の販売を予定していますね。


─昨年は、買えなかった人が多かったのではないですか?
■大塚:そうですね、非常にありがたいことで、有名セレクトショップで扱っていただいておりますが、店頭に出せばすぐ売れてしまうっていう状況で、6月、7月まで在庫をお持ちだった店はほとんど無かったように記憶しています。
今年はそういうことはないと思います。もうちょっといろんなところで、ハワイアナスを扱っていただきたいということありまして、ファッション的に扱ってい ただけるんであればいろんなお客様に販売していただきたい、今年はアパレル関係のお客様だけではなくて、輸入家具屋さんや本屋さんでも扱っていただいたり しています。ライフスタイルを提案していくようなお店では非常にハワイアナスという商品は売りやすいというふうに聞いています。ちなみに日本で一番古くか ら扱っていただいているのはソニープラザさんなのですよ。


─最近はハワイアナスマニアも出てきているようですね。
■大塚:そういう方もいらっしゃいますね。Topという一番代表的なモデルがあるのですけれども、毎年試作の段階で、50色くらいのバリエーションを作るのです。
その年の宝石のトレンドカラーだったり、ヨーロッパで流行っている車のカラーだったり、あとは口紅、化粧品ですよね。その他にもいろんなトレンドカラーを チョイスしていって、最終的に13色に絞り込む。白と黒は定番色ですから、それ以外の11色に関しては毎年色が変わっていくのです。去年、この13色を全 部買ったお客様がいらしたのですが、今年の13色もすでに全色購入されているとか。
さらに世の中に出ていない色や以前に販売していた色で今年復活する色は無いのか、などというお問い合わせもいただいたりしています。

─今年の日本版スペシャルバージョンはもちろんあるのですよね?
■大塚:もちろんありますよ。

─それは先ほどおっしゃった、どこかのブランドとのコラボレーションですか?
■大塚:今 年は、阪神タイガースさんとコラボレーションさせていただきまして。これもたまたまTopというモデルのカラーリングを阪神百貨店のバイヤーさんと商談さ せていただいていた時に、黄色いソールに黒いストラップを付けたらタイガースカラーだね、という話になりまして、今年は阪神タイガース創立70年なので、 なんとかタイガースモデル、そういうコラボレーションが出来ないかというところから始まったんです。
今年、ちょうど4月8日が甲子園でのオープニングゲームなのでその前の4月7日に阪神百貨店の8階のタイガースグッズコーナーで販売することが決まってい ます。
(*皆さんゲットしましたか?もうちょっと早く情報出せれば良かったんですが)

 

─これはマニアの方はまずまっ先に購入するアイテムですね。
■大塚:これはまず抑えないと。
はっきり数量はいえないのですけれども、何千ペアしか作っていませんから。たぶん売り切れになることは時間の問題だと思います。

─お話を聞いているとただのビーチサンダルではなくて、何か別のコミュニケーションの手段として動き始めている感じですね。
■大塚:言葉を悪く言えばただのゴム草履なのですけど、それを使っていろいろなイベントや遊びを作っていける、というのは、非常におもしろいなという部分で、私も仕事をしていてそれはすごく楽しいです。
アナログ中のアナログな商品ですから、これを何か進化させよう云々っていったって、形を変えるとか色を変えるとかというレベルの進化しかないと思うのです けれども。そういうアナログ的なものを使って、今のデジタル社会の中で楽しめる、ということは非常に面白いんじゃないかなって思います。

─やはりこういうミニマムなものこそ広がりが出てくるというか。シンプルなものほどいいっていうのはありますよね。
■大塚:も う1つは誰でも買える価格。このTopっていうモデルも1500円、やはり何色あっても楽しめるものだと思いますし、去年も特に女性の方は、日替わりで自 分のファッションに合わせてビーチサンダルの色を変えて、出勤の時にもビーチサンダルを履いているっていう女性の方を何人も見かけました。
自分のところで洋服を作られているお店では、TOPの13色に合わせてジーンズの生地を染めて、Gパンとハワイアナスを一緒に販売していました。色を組み 合わせて両方一緒に売っていただくという、そういう企画もありました。

─そうすると、ハワイアナス自体はシンプルでミニマムなものなのだけど、ファッションが勝手に付いて来たり、周りが自然に動き始めたり、ということがあるという事ですか?
■大塚:そうですね、周りの方にハワイアナスのことを知っていただければいただく程、そういうふうにいろんなところで話が動き始めたりしますね。スワロフスキーのクリスタルをつけたりということもそうですね。これからさらにいろんなことが起こると思います。
これ、ハワイの人たちに説明してもわからないんですよね。

僕の友達もハワイにたくさんいますけど、『おまえがやっているビジネスはわからない。ハワイではありえない』というような感覚で、それはもう地域によって、状況が違うのは当たり前ですよね。

─ビーチサンダル自体は日本で、例えばげんべいさんでいろいろ売っていたり、アラジンなどのブランドもあったんですが、最近はサーフブランド物がほとんどで、ビーチサンダル屋さんっていうのは少なくなってしまいましたよね。
■大塚:私もそれほど詳しくはないのですが、過去これだけ売ったビーチサンダルは日本国内ではまず無いと思います。
僕らはサーフブランドではなくて、ビーチサンダルブランドですから、もちろんサーファーの方にも、僕もサーファーですけど、そうじゃない方にも街で普通に 履けるようなそういうビーチサンダルというものを目指して行きたいなって思います。
履き心地とか、色のバリエーションだとか、すごく自信を持ってお勧めできる商品ですから。

─今年のお勧め、これはというものはありますか?
■大塚:お勧めはTopでしょうね。あとはこのブラジルモデルですね。これは1998年からずっと定番になっています、今ではTopの次に輸入数の多いモデルになりました。
Topというモデルは、ソールの厚さがかかととつま先で違うのですよね。
そして、ライスという米粒みたいな表面のでこぼこ、これが水に濡れても滑りにくいという特許を申請していたり、あとは鼻緒のところってどうしても痛くなっ てしまうじゃないですか。ハワイアナスの場合、ゴムの比率が高いので痛くならないという評判をいただいています。


これらのベーシックなモデルは、いわゆるゴム草履ですが、今年はもっと豪華でファッショナブルなモデル、例えばスワロフスキーのクリスタルが付いていて 18000円だったり、ヒールつきのビーチサンダル、これは砂の上では履けないのですけれども、20000円で、こういった高額商品が今年は非常に評判が いいですね。

─レディース物の動きはどうなのですか?
■大塚:比率でいうと6対4ぐらいで女性向けの商品のほうが多いのです。
ファッションに敏感な女性の方が、ちょうど今頃の時期、4月、5月ぐらいにビーチサンダルをわぁっとお買い求めになって、暖かくなってくる頃にボーイフレ ンドに、『あなたビーチサンダルはかないの?』というような感じで、『じゃ俺も同じ物を買おうかな』っていうことで、ハワイアナスを履き始めたということ が、去年は非常に多かったようですね。


だから売れ方としては女性サイズが圧倒的に先に売れて、無くなってしまって、7月、8月ぐらいになるとメンズサイズが動いてきたという、そういう傾向があ りました。

─やはりファッションは女性主導なのですね。かなり女性誌にもリリースされていますしね。
■大塚:ありがたいことにいろんな雑誌の方に取り上げていただいて。それこそ赤ちゃん以外は、みなさんが消費者の対象になる、いわゆるターゲットになるという状況です。
日本も今がんばって33万足売っていますけど、イタリア、フランスなどは40万とか50万足ぐらい売っているのですよ。ヨーロッパには有名な避暑地があっ たり、パリの有名なお店に入っていたりとか、そういうところで最初からブランド品として取り扱っていただけたということが、販売に大きく結びついていると 思うのですけど。


もう1つは日本人にとって鼻緒の履物っていうのは、小さい時から家の中に必ずあったものですが、欧米人にしてみると、鼻緒のついた履物というのは、目にし たことが無いわけですよ。例えばビルケンシュトックみたいな普通のサンダルは昔からあったと思うのですけれども。履物の文化の国で、鼻緒のついた履物って いうのが、最初はちょっと抵抗あったようなんですけれど、一回履き始めてみて、履き心地の良さを知ってしまい、それから一気に広がったというところがある ようですね。

─話は変わりますが、ヨーロッパですとかニューヨークに行ったときにハワイアナスを探してみると思わぬスペシャリティー物が手に入ったりしますか?
■大塚:そうですね、そういう事を楽しんでいるハワイアナスコレクターの方も多くいらっしゃると思いますよ。
去年、アメリカのコカ・コーラ社とハワイアナスがコラボレーションして、コカ・コーラのマークの入ったビーチサンダルを全米で売ったのです。それをお買い 求めになった方がいらして、友達も欲しいと言っているんだっということで、『日本でコカ・コーラモデルは売っていないのですか』という問い合わせが来まし た。当初は日本でも売ろう、という話が出たのですが、ライセンスの問題で日本は販売できなかったのですが。
そういうことはたくさんあると思います。

─ハワイアナスの今後の展開を教えていただけますか?
■大塚:飽きられないように、いろいろな方面に、様々な仕掛けと話題を提供していきたいと思っています。
ビーチサンダルブランドが、なんでここまでやるのっていうようなこと、それをやり続けたいなというふうに思っています。ファッションアイテムの1つとし て、きちんと取り上げていただける状況が整ってきた以上は、ブランドをいろいろな方面でどれだけみなさんに知っていただくことができるかという事だと思い ます。
日本国内だけではなく、世界規模で動いているブランドですが、僕らは気軽に手にとってもらえるブランド品でありたいと思います。
1億2千万足売れるようにやっていきたいと思っています。

─なるほど。ところで大塚さんはハワイがお好きだとお伺いしましたが。
■大塚:はい、年に2回か3回ぐらいはハワイに行っています。

─ほとんどがサーフィン三昧ですか?
■大塚:そうですね。
最初行ったときはワイキキがハワイだと思いました。
今はサーフィンするとしたらアラモアナとか、ダイヤモンドヘッドへよく行っています。

─毎年数回行くというハワイの魅力は?
■大塚:僕は、いずれハワイに住みたいと思っています。だから永住権の申請もしているし、今度行ったときにはハワイ州の車のライセンスを取ろうと思っています。
僕は今年41になるのですけど、サーフィンを始めたのも遅かったんです。30歳を超えてから始めて。ハワイに行ったのもサーフィンをしたくて行ったので す。


最初に行ったときはワイキキのカラカウア通りを見てこれがハワイなのだなと思っていたのですけれども、やっぱり地元の人たちと接したりしているとハワイの 見方も変わってきますね。
おととしハワイで、足の裏の動脈をサーフィンしている時に切っってしまったことがありました。2針動脈を縫わなきゃいけなかった、結構大けがだったのです が。その時、友達と3人でサーフィンをしていて、ちょうどこの拇指球の下の動脈を、リーフで切ってしまって。僕は車の鍵を持っていなかったから車を開ける こともできず、でも友達はまだ沖にいるわけですよ。仕方なくアラモアナ公園のシャワーで足の裏を洗っていました。金曜日の夕方アロハフライデーでローカル の人達がみなバーベキューを始め出したような時に、僕は血が止まらないような状況だったんです。最初はそれほどひどいケガだとは思っていなかったのですけ ど、その時、公園でバーベキューをしていた人の子どもが、お皿に焼いたお肉と水を『これ食べなよ!』と持って来てくれたんです。みんなの方を見たら、『お まえ大丈夫か、一人で出来るか、病院へ行くのだったら俺の車で行ってやるよ』とか、みんな見ず知らずのツーリストをケアしてくれて、そのあたたかさ (ALOHA Sprit!)が印象的で今でも忘れられません。


この島には、まだ昔の日本にあった近所づきあいのようなもの、僕も子供の時に経験しましたが、助け合うとか、協調しあうとか、お互いを尊重しあうという事 がこの島にはまだちゃんとあって、そういう事を体験してしまってからは、ますますハワイに取り憑かれてしまいました。


僕がいつも朝5時に起きてサーフィンに行こうとすると、隣の家のポルトガル系のハワイアンが毎朝新聞をん読んでいて、『今日はどっちでサーフィンだ?』 と、ちゃんと挨拶してくれたり。みなさんには言葉で説明しなくてもたぶんわかると思うのですけれど、それを知ってしまうと、この日本で、僕が今40歳で 80歳まで生きたとしても、半分終わっているわけですよね。残り半分、今のこの日本で当然生活しなきゃいけないけれど、できればお金が無くても、実際ハワ イは物価も高いし仕事もないし、生活をするとなると大変な島だということは知っているのですけれども、残りの人生の時間を使うなら、ハワイに行って使いた いなと。ただ旅行に行きたいとかそういうことじゃなくて。だからビザが取れればすぐ行きますね。そういう準備はしていますよ。(笑)

─かなりリフレッシュされるというか、リセットされて帰ってこられるのですか?
■大塚:リセットされないですね。だから逆にこっちにいることがどんどん今も、、、。

─つらくなって(笑)
■大塚:苦痛でしょうがないっていうか。知れば知っちゃうほどね。でもそんなに楽な場所じゃないっていうこともわかっているつもりです。
ハワイで僕の友人が会社を起しています。そこでビザを発行してくれれば僕はハワイに住むことができるのだけれども、それは絶対にしないですね。なぜかって 言ったら、みんなそれぞれ苦労していろんな理由、いろんなものを背負ってハワイに来て暮らしているから、そんなに楽しいことばっかりじゃないし。彼は君に お金があって、僕の会社に投資をして一緒にビジネスパートナーとしてこの仕事をやろうというのであればビザを発行するよ、というスタンス。


もし君が本気でハワイに来たいなら、君もそれなりにリスクを背負いなさいよと。ただ単に楽しみにくるのだったらツーリストでいらっしゃいと。住みたい、こ こで暮らしたい、人よりもハワイをもっと深く知りたいというのであれば、自分でリスクを背負って自分でその分楽しみをつかみなさいっていうのが、僕の知っ ているハワイに住んでいる日本人達なんです。だから僕もお金があったら投資したいけれど、そんなお金もないし、仕事のアイディアはほんとにいくらでもある んですけれどね。言えるものと言えないものと、これあたったらでかいなっていうのもありますけどね(笑)。

─ハワイへ行く度に必ず行くぞっていう、お勧めのところはありますか?
■大塚:ハワイへ行く時は、だいたい10日〜2週間ぐらい滞在しています。僕はいつも安いチケットで行くので、飛行機の便の時間が悪いんです。
早朝7時テイクオフの飛行機とかが多くて、そうすると2時間前にはエアポートにいなくてはいけない。そうすると5時です、だから最後の夜はほとんど寝ない 状況なのです。最後の夜はエアポートに向かう前にカイルアのビーチ、誰もいないビーチにこう大の字になって、寝転がって、空を見るとものすごい星が、日本 では見られない星ですよね。そして流れ星がいくつもいくつも流れて。それを見て、それから僕はエアポートに行くんですよ。
最後の晩にそういう形で帰ってきます。

(2005年4月カメイ・プロアクトにて)


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