ハワイでプルメリアの苗木を買ってきた事がある人、かなり多いのではないかと思います。その中で、花が咲いたことがある人はどれぐらいいるのかな?「毎年 葉っぱは出てくるのだけど、お花が咲いたことはないんです、、、(残念)。」という方、多いのではないでしょうか?日本ではハワイとは気候が違ったり、土 の特性も違ったりと、プルメリアを育てるには難しい条件ではありますが、きちんと手をかけてあげれば見事にお花が咲くのです。「それはどうやって?」そう 思ったら、「プルメリア・ユニバーシティ」に入学しましょう!プルメリアについての知識と経験が日本一と言っても過言ではない、プルメリア・ユニバーシ ティのMatt TakekawaさんとMareka Tanakaさんのお二人にお話をお伺いしました。

PLUMERIA UNIVERSITY(プルメリア・ユニバーシティ)
プルメリアを日本国内で普及・研究するグループとして発足した「プルメリア・ユニバーシティ」。年3回発行される会報誌には、プルメリアに関するあらゆる 情報が掲載され、読み応え抜群です。夏には情報交換を兼ねたパーティーもあり、プルメリアが大好きな人なら誰でも入会可能!

「学ぶこと、遊ぶこと、そして集めること」

─まず、「プルメリアユニバーシティー」ではどんな活動をなさっているのか教えてください?
プルメリア・ユニバーシティ:武川:一言で言うならば、プルメリアという植物について学ぼう、と言うことなんです。
もう少し詳しく説明いたしますと、「プルメリアユニバーシティー」は3つのコンセプトから成り立っています。
「study・enjoy・favorite」
学ぶこと、遊ぶこと、それから集めること。
この3つのコンセプトをモットーにして皆さんとプルメリアを通していろいろ勉強しましょうと言うことなんです。

─「プルメリア・ユニバーシティー」を始めようと思われたきっかけは?
武川:僕は熱帯植物がすごく好きで。
父親と母親は植物学者だった、ということもあって、小さい頃から植物と一緒の生活でした。
現在、本職は広告関係なのですけれど。
プルメリアの花が特に気になっていて日本で育てたいと想い、始めた事が、だんだん研究的になって規模が大きくなってきました。

プルメリアの花を育てる事に関する文献というのはアメリカでも二つくらいしかありません。
皆さんよくハワイに行ってお土産屋さんでプルメリアを買ってこられるのですが、半分以上の方は失敗してしまうようなんです。

ある時、日本の園芸専門誌にプルメリアの花の育て方を書いた事があったのですが、その時、ものすごい勢いで問い合わせが来たんです。
えっ、こんなに皆プルメリアの花を知ってるし、こんなに興味があるのか、と思いました。
でも実際、文献も無ければ育て方も良くわからない。
ハワイに行って「プルメリアはどうやって育てればいいの?」って言うと必ず言われるのは「いやあ、土に挿しとけばいいんだよ」って言われちゃうんですね。
それはハワイの気候、土壌の中ではそういう事なんですが、日本で育てるにはそれなりの知識が必要だと言う事で、じゃあ、それを皆で勉強して行く様な形にし たらどうだろう、と思い始めたのが「プルメリアユニバーシティー」の始まりです。

基本的な考え方は、誰が教えて誰が生徒かということじゃなくて、アメリカの大学と同じで、教授、先生と言うのはそこのまとめ役であって、皆それぞれ自分の 研究を発表し合って、そこでどんどん知識を深めていくということです。

もちろん、プルメリアの研究団体は日本にはありませんでしたけど、アメリカには「プルメリア・ソサエティー・オブ・アメリカ」という、ちゃんとした世界レ ベルの団体があります。私たちはそこの会員でもあるんです。
いろいろ活動していた中で、日本でも「プルメリア・ソサエティー・オブ・ジャパン」を発足して、オープンスクールみたいな形にしてできたら楽しいだろう なって思ったんです。


「土を作ることから始めた」

─ハワイに住んでいらしたのですか?
武川:僕は90年、91年とハワイで仕事をしていました。92年にミラノに行って、93年に日本に帰って来て、それからは日本で仕事をしてます。
ハワイはものすごく好きな場所で、うちのスタッフを良くハワイに連れて行くんです。それで皆いろんな植物を見たり、スポーツをしたりして楽しんでる中で、 うちのデザイナーの田中がプルメリアにすごく興味があると言い出しまして(笑)。

プルメリア・ユニバーシティ:田中:私はアメリカのメインランドに留学していました、ハワイって言うと、一般の日本人の方と同じように、「ワイハー」のイメージでした(笑)。
最初に連れて行ってもらった時に、「風と香りが心地よくて、この匂いはなんだろう」って思ったんです。
あとから街に出て、この香りはプルメリアの香りだったという事に気付いて、「これだ!」と思ってしまいました。その時はそんなに意識してはいなかったんで すけど、その後、すっごいハマっちゃいまして。これはどうやって日本で育てるんだろうって、苗木を見つけて、買って来て自分で始めたんです。

武川:苗木を買ってきたというので、ひととおりの育て方を教えました。
最初は自由にやらしていたんですけど、うまく育たないんですね。

まず、ハワイのものを日本にただ持って来ただけでは育たないって言う事をアドバイスしました。

育たない理由は、まずは土だという話をしました。
日本の土とハワイの土はどう違うのって話ですね。
ハワイはどんな土かというと、火山の土なんです、水はけが良くて空気が入る。その土を作ってあげないと日本では育たないよってことで、人工培養土などを教 えまして、その土を作る事からやってみてもらったんです。
そうしたら彼女、もう完全にハマっちゃいまして。赤坂のビルの大きなテラスにビニールハウスまで建てちゃって。いやあ、もうビルの中ですよ!そこだけビ ニールハウスが建ってて、すごく怪しいんですよ!外から見ると。
陽光ランプと言って太陽と同じような光がでるランプがあるんですけれど。ビルのそこだけが陽光ランプで照らされていて(笑)。

田中:「怪しい」と言われながらも、すでに完全にハマっていたので、アドバイスを参考にしながら、いろいろやっていました。その時も、もっと他に資料はないかと探したのですが、日本には本当に資料が無くて。

そんな時に海外のサイトを見ていて、そこで「プルメリア・ソサエティー・オブ・アメリカ」というサイトを見つけたんです。プルメリアを育てている人同士が 連絡を取ったりして活動している組織がアメリカにはいくつかあったんです。それは、個人的な活動だったり、小さい団体だったり。
そういうサイトに集まる方達とメールで連絡取り合って、情報交換したり、日本で育てた記録を向こうに送ったりしはじめました。



何年かやりとりを続けていて、資料が集まり始めたときに、一人で資料を持っているのではなくて、日本にいるプルメリアが好きな皆さんに、情報をどんどんお 伝えした方がよいのではないかと思いはじめました。とくに、園芸雑誌に載ったことで大きな反響があった時、もっと多くの人達と情報と、そして植物を育てる 事によって感じる豊かな時間をシェアしていきたいと思い、プルメリアユニバーシティの活動を始めたんです。

─そうすると、皆さんプルメリアの苗木をよく買って来ていたってことなんですかね?それだけ反響があったって事は。
田中:そうですね、皆さん買ってきて、育て方に苦労していたみたいです。

フラをやってる方はご存じだと思いますが、黄色いプルメリアの花のレイをつけて踊るってことは神聖な行為なんですね。
日本では咲かないと言われていて、しかも手に入らない。プルメリアのレイを飛行機で持って来たとしても二日でまっ茶色になってしまいますし。
花だけ持って来てレイを作ったとしてもほんの1日で傷んでしまう、あるいは持ってくる間に茶色くなってしまうんですね。
そういう事をわかっていても、プルメリアのレイにあこがれて、日本でも作りたい。

そうすると、苗木を買ってきて自分で育てればレイが作れるだろうし、楽しいだろうと思われるのでしょう。ハワイではあんなにたくさんどこでも咲いているの で簡単だろうと。
ところが、思っているほど簡単ではないんですね。

武川:自分で花を咲かせてレイを作りたいなって言うのが、多分皆さんの気持ちなんだと思うんですよ。
上手に育てられた方からプルメリアのレイを着けて踊ったら、上手く踊れたという話もいただきますし、「一個咲いたよ」と連絡があって「耳に着けて踊ったら すごく上手に踊れた」って言う、うれしいお便りもいただきます。

それはすごく自然なことなんですよ、と私はお話ししています。
レイから香ってくる香りが自分をより美しくして、フラを上手にするのですよと。もっとセンシティブな部分で体に反応があるよっていう話もしたんです。
ハワイでは、生きている物に触れあう事によってそこから生まれる何かを強く求めていたりする。多分皆さんもハワイでそういうことを感じて、苗木を買って 帰って来たけれど育てる事が出来ない。
じゃあ、どうしよう。
やっぱり勉強しなきゃ駄目だってことでお問い合わせ頂いてるんじゃないかな、と思っています。

基本的に「プルメリア・ユニバーシティー」は営利目的は全く無くて、皆さんに花を咲かせてもらう事を楽しんでもらおうと、純粋にそれが趣旨なんです。
彼女(田中さん)のプルメリアに関する情報、経験は半端じゃなくて。かなりの知識と資料があると思いますよ。うちにある鉢植えも、34種類くらいの品種を 育てています。

田中:多くの園芸品種があるということを知らない人が多いんですね。黄色くて白いのしか見た事無いという人も多いんです。真っ赤なプルメリアもあるんですよ。

 

「プルメリアは生活の一部」

─ほんとですね。色の違いくらいは知ってたんですけど、まさかこんなに何十種類もあるなんて全然知らなかったです。
武川:まあ、ちょっとオタクな話なんですけれど(笑)。
プルメリアにこだわるってのは、ハワイに行って、フラなどもそうでしょうけど、私からするとプルメリアは生活の一部ってそんな気がしますね。アロハな気持 ちになれる。
アロハな気持ちを持たれて仕事をなさっている方ってすごく気持ち良くって。まず、否定しない。相手を否定しない。それって僕に取ってはすごく大切な事なん です。簡単に言ってしまえばそんな感じですね。

田中:これからはハワイ関連のイベントなどがあればなるべく参加してようと考えています。そういう所でデモンストレーションなどを行って、プルメリアファンを増やしていきたいなあ、と思ってます。あと、年に一回アロハミーティングというパーティーを開いたりもしているんです。

武川:会員、生徒が集まって、プルメリアの事を話したり、皆でフラを踊ったり、楽器で演奏したりして、皆さん楽しんでいますよ。

田中:朝摘んできたお花でレイを作って持って来てくれる方もいらっしゃったり、とても楽しいパーティーです。
お子さんがケイキフラを始めたので、彼女にレイを自分で作ってあげたいからって育て始めた方とか。小学校の校長先生とか、お花屋さんの方もいらっしゃいま す。県外からお見えになった方もいらっしゃいましたね。

武川:活動としては、例えて言うならば、布教活動に近いかもしれませんね。
茅ヶ崎で開催されたイベントへ行って「皆さん、プルメリアを育てましょうよ、これ本当にいいですよ」って。

あと、私たちは、お花をただ育ててほしいわけじゃないんですよ。
皆さんがお花を育てる事によって豊かな気持ちになって、お花が咲いた時の嬉しさが、何か次のアクションに繋がったら素敵だ、そんな気持ちでやっているので す。
銀座の真ん中でデモンストレーションをやったこともあって。プランタン銀座でやった時はちょっとだけビビりましたけどね。言葉もあんまり上手じゃないか ら。興味がある方は立ち止まってくれたりして、『あっ、この花知ってる』ってね。

ハワイが好きな方だと、ハイビスカスじゃなくてプルメリアがハワイの花だと思ってる方も多いんですよね。
ただ、元から言うとこの花自体はハワイの花では無いんです。
西インド諸島で生まれた花が、ハワイに持ってこられたんですね。
外来種でありながらハワイに根付いたというのは、この花のパフォーマンスとハワイのベクトルが合ったという事じゃないかと思っています。

─ハワイで作られた新しい品種もあるのですか?
田中:はい、多いですね、ハワイには新しい品種を作っている方が何人かいらっしゃいますし。もちろんハワイ大学でも研究されています。
ジム・リトルさんという方やドナルド・アンガスさんとか何人か有名な方がいらっしゃって、品種交配して、新種を造っているんですよ。

─プルメリアを育てていて、面白い、楽しい、ハマって行く部分はどういうところなのでしょうか?
田中:もちろんやってる事自体楽しいってこともありますし。やっぱりプルメリアを通して、いろいろな事を共有できるのが楽しいっていうのもあります。

武川:人それぞれなのでしょうが、ガーデニングをなさっている方、ハワイのお花が好きな方いろいろなのでしょう。

田中:大人になってここまで細かく深く入り込む事ってあんまりないと思うんです。たまたま巡り会って、育て始めたらこんなに難しいのかとわかって、でもちゃんと育てたいっていう想いもあって、悩むのだけれどはまってしまう。習い事に近いのかな。

─そうですよね。苗木はただの棒みたいで、最初は、あんな棒を買って来て育てるときれいな花が咲くとはどう見ても思えないですしね。
田中:始めの頃、上手く咲かせられない時は、私は「葉っぱを育ててるんじゃない!」などと思いつつ、花が早く咲いてくれないかなと願って。いろんな肥料を探したり、ありとあらゆることにトライしていました。
結局、簡単じゃないからはまるんでしょうね。


「日本、ハワイ、そして自分 それぞれの想いをつなげて」

─もともと何か植物学などの勉強をされたというわけではないんですか?
田中:そうではないんですね。

─じゃあ、何かすごく引き付けられる事が?
武川:たぶん、アートをやってるじゃないですか、彼女は。アートに近いものがあるんじゃないかな。

田中:そうですね、似ている部分がありますね。

武川:物を作って行く、育てて行くって言うのは、全てそうじゃないですか。これにもデザイナーがいるし。これにだってデザイナーがいる。このペンだってそうですよね。着てる物だってそうだし。アートをやるってことは創造って言うんですか、そう言う意味ではすごく植物に近い。
現代社会、特に東京っていう場所だと仕事だとか、付き合いだとかで自分の時間がどんどん無くなっていく。それをとめるためにも、、、。

田中:そのためにも植物を育てていて。そして日本にいてもたぶんハワイを感じてる瞬間だと思うんですね。
皆、年に何回もハワイに行けないじゃないですか。プルメリアを育てながら何かハワイに繋げているんでしょうね。たまたまそれが私の場合はプルメリアだって 事だと思うんですけど。
ハワイと東京と日本にいる自分とを皆それぞれの想いでつなぎあわせながら。


─そうですね、私達もそういう想いが大きくなって、このサイトを始めたようなものですから。

 

「根をちゃんと付けさせることが重要」

─ところで、お話を聞いて『私もやってみよう』と思った方へのアドバイスをお願いできますか?ハワイでの苗木の買い方、選び方、どうすれば育つのなどを含めて。
田中:まず見る所は、触って柔らかくないか、ちゃんと硬くなってるかって事と、下が黒くなってないか。柔らかすぎるのは、もう残念ながら生きていなくてだめなんですね。黒くなってしまっているものもダメです。触って硬くてしっかりしてれば大丈夫。

あと、頭に花芽がついてると喜んで買ってくる方がいらっしゃるんですけど、そういうのは駄目になることが多いです。栄養が取られちゃうんです、花芽を出す のに。アスパラガスの先みたいな感じの、ポコポコしてるものです。花芽でてるのは弱ってしまう確率が高いですね。あと、植えるのは6以降に植えれば大丈夫 です。

武川:気温が重要で、熱帯植物は基本的に平均気温が15度以上じゃないとだめですね。東京だと、たぶん6月くらいかな。それでちょうど10月初旬くらいまでが外に出してられる限界で。それからはお部屋に入れるかハウスに入れてください。

─冬に買って来てしまったら、春になるまでは置いとけばよいのでしょうか?
田中:そうですね、でも必ずビニール袋から出してください。そして、新聞紙にくるんで日の当たらない涼しい所で保管すれば大丈夫です。例えば下駄箱が涼しかったら下駄箱に入れておくとか。

─水も何にもやらずにそのまんま置いとけば良いのですか?そして、気温が上がるのを待って植える?
田中:水もやらずにそのままで大丈夫です。

武川:植物の原則的な話で行くと、最初に根を付けるんですね。根を付けてから葉っぱが出て来て、花をつけるのが、順番なんですよ。

植物っていうのは根がちゃんと張ってないと、葉も出ないし花もつかないんです。
根をちゃんとしっかりつけさせる事が一番重要な作業なんです。
根付いてしまうと2年目位からは割と簡単なんです。
プルメリアユニバーシティーでお教えしている植物カレンダーを見て頂いて、どのタイミングで外に出して、どのタイミングでお部屋に入れてあげるという事を ちゃんと考えてあげてれば、基本的に問題ないです。

あと、もう一つ重要なのは土ですね。土って言うのはどうしてもホームセンターで一般的な植物用の土を買って来たり、お家の外の土を持って来て鉢に入れたり しますよね。
それだと、ハワイの土と違いすぎてダメなんです。水がたまりすぎて根が腐ってしまうんですね。
お奨めしているのは、こちらの人工培養土。要はハワイの土に似たような土をお薦めしています。

田中:かなり軽い、軽石みたいのが多くまぜてある感じなんです。

武川:この軽石みたいなのがパーライトって言う石なんですけど。高熱で焼いた石です。

田中:雑菌もいないので、根腐りなどがしにくいんです。

武川:パー ライトと言う白い土と、バーミキューライトって言うちょっと光沢のある金色の土と、あとピートモスって腐葉土みたいなものなんですけど。これをパーライト 3、バーミキューライト1、ピートモス1っていうような割合で混ぜて頂いて。それに緩効性肥料と言って徐々に効いてくるような肥料を加えて土が完成するん です。その土を作る事によって、プルメリアに根を付けてもらう。根がちゃんと付けば、次の年からは花をちゃんと咲かせる努力だけしていればいいんです。で すからあんまり気を使わないで済むんですけど。だいたい皆さん根付く前に枯らしちゃうんです。

土の作り方や植える手順なども、会員の方にお送りしているニュースレターの中に写真をつけてわかりやすく説明しています。よろしければ、一度読んでみてく ださい。

田中:根がつかなくても葉っぱが出てくる時があるんです。これが紛らわしい。

─葉っぱが出ても根が出てない可能性もある、ということですか?
田中:ありますね。

武川:根が出てない状態でも茎にたくさん水を貯えて生きているんですけど、その力だけで葉っぱが出てきちゃうんです。その辺に置いといて太陽が当たってると出て来ちゃうんです。
鉢植えを始めるときの注意事項はそんな所ですね。

次に、やはり皆さんが一番希望しているお花の部分ですね。ちっちゃくてもいきなり咲くんですよ。育て方が良ければ。
温度のことを考えて頂いたり、お水の事を考えて頂いて。
何にも肥料をあげていない場合は、土にある養分だけで花を咲かせようともしますね。

基本的なお話をしますと、植物が生育するのに、どんな植物でもそうなんですけど、窒素、リン酸、カリ、という3要素が必要になってくるんです。
窒素って言うのは葉っぱを育てる。リン酸って言うのは実や花をつけさせるため。カリって言うのは根をはやすために必要です。

根が生えて、葉っぱが出て来て、じゃあ、今度は花をつけさせたいという時に必要になるのはリン酸ですね。リン酸て言うのはうんと値が高い肥料を使うんで す。そうするとパンチがあるんで日本でも花をつける。大輪で、色も鮮やかになります。
アメリカの肥料を持って来て使うと一番ベストなんですけど。
ユニバーシティーで勉強している方、あるいはお問い合わせがあった方にはお分けしたりもしていますよ。

─植えて一年目には花が咲かない事もあるのですか?
田中:もちろん咲かない事もあります。咲かない事の方が多いです。それは苗木による当たり外れもあるんですけど。

 

「買えない物を作る事が魅力になる」

─いや、奥深いですね。
ハワイではどうなんですかプルメリアの苗木の状況などは?

武川:いま、ハワイでは、たくさんの日本の方がプルメリアをお求めになるので、とうとうドールのプランテーションでは、日本人向けとは言いませんけれど、凝った品種の株分け始めたんですよ。

─島によって品種に違いはあるんですか?カウアイ島、マウイ島、オアフ島とかで。
武川:はい、あります。交配して自然にできたものは皆違うんです。
花が見頃になるシーズンにカウアイ島へ行くともう最高ですよ、球のように咲いてますから。

─ハワイで言うとシーズンっていつ頃なんですか?やっぱり夏?
武川:そうですね、日本とすごく似てますね、花が咲く時期というのは。
花は春咲きのお花と秋咲きのお花とがあるんで。ハワイだとだいたい4月初旬から満開になっています。
ただ、夏の暑い時期はちょっとスローダウンして、その後、秋のアロハフェスティバルの時に行くと思いっきり咲いてますね。

オアフ島の街路樹には、葉が落ちないタイプの白い、シンガポールホワイトって言うお花が使われていることが多いですね。例えばワードの周りなどにはこのタ イプが植えてありますね。
マウイ島は多少オアフ島と違う品種のレインボーをよく見ることができます。
ただ、品種を限定するというのはすごく難しいんです。特にピンク色のプルメリアは数が多いので限定的に品種を決めるのがすごく難しいんですよ。品種は交配 されると親木の特徴が交ざり合うので、白い花の親木であっても、近くに違う色のプルメリアが咲いていると、種から育ったものは白ではなく、ピンク色の花が 咲いたりしますから。

─お話を伺ってるいると、ほんとに奥深いことがわかりますね。
武川:オタクな感じでしょ?でもね、これはこれでけっこう楽しかったりするんですよ。

─夏になると、もうすぐ咲きそうだよっていう木が販売されているということはないんですよね?
田中:それが難しいらしくって、園芸店には売って無いじゃないですか。とてもコントロールが難しいんですよね。開花の時期だとか、合わせられないんです。

武川:もし市場に出たとしても値段はすごくが高くなるでしょうね。
だから、私たちも、オーダーをもらって咲いてるものをお届けできるかって言われると、まず無理って言うしか無いですね。それだけ難しい。だから自分で育て るしかないって事なんですよね。
買えない物を作るって言うことが一番の魅力かもしれませんね。

─そうすると、自分で育ててレイを作ろうなんていうのはものすごく大変な事なんですね。
武川:いやあ、作っている方もいらっしゃいますよ。だいたい40個くらい咲くとレイが1本出来ますね。

田中:木が大きくなると花が須玉状になって咲くので、レイは作れますね。

武川:こ ちらで花を売っておると思われて、お電話を頂戴する時もありまして、『いや、お花は売っていないんですよ。』『そうですか、でも欲しいんです、なんとかな りませんか?』『じゃあ、お分けしますよ、取りに来て下さいって。』って、そんな事もありますね。お花を摘んでもって帰られる方います。それもOKです。 楽しんでもらえるんだったら。

─苦労も含めてすべてが楽しいという?
田中:でも、枯らすとやはり辛いんですよね。ペットを育ててる方もそうでしょうが、育てる世話も楽しいわけでしょ?生き物っていうのは難しいですよ。

─ハワイで買おうと思ったら、今ならドールが一番充実しているのですか?
武川:いや、そんな事も無いですよ。ホームデポなどへ行くと鉢植えの状態で売ってますよ。葉が付いて。ピンクとか黄色とか書いてありますけどね。ただピンクって書いてあって、育ててみたら黄色い花が咲いたとかって、それはもういろいろですけど。

田中:ただ、検疫の問題があるから、土は駄目ですね。

武川:土を付けた物を飛行機に載せて来ても税関から外には持ち込みができないんで。今、もしハワイの物を直接持ってくるのだったら苗木しか無いですね。

─そうすると『ハワイに行くので苗木や肥料を買ってきたいんですけど』とお聞きすれば、教えていただけるのですね。
肥料は園芸屋さんやホームデポへ行って買って来ればいいんですよね。

武川:よく表示を見ないと似たパッケージで違う物がありますから気をつけてください。

田中:さきほど申し上げたリン酸値の高い肥料が買えます。ホームセンターに行って新しい発見が出来るかもしれませんね。

─鉢もハワイのそういう所で買って来た物がよくなったりとか、いろいろ楽しみになりますよね。
武川:そうそう。
楽しみは、日本でどうハワイを感じられるかじゃないですか。踊ってもそうだし、歌ってもそうだし。我々は花を育てて感じてるってとこですよね。

─ハワイがお好きな理由は?
田中:気候ですかね、たぶん、、、。
でも、日本も好きなんですよね。それを微妙なバランスでなんとかしたいと思っているのかもしれないですね。

─アメリカのメインランドでも生活していらしたという事でしたが、メインランドよりもハワイの方がよかったですか?
田中:メインランドにいった時は、プレッシャーのようなものがありました。
学生だったのですが、ちゃんとした英語を話さなくちゃいけないとか、回りが皆白人だったから白人に馴染もうとしてたり。日本人を忘れようとして、その、な んていうか、向こうにどれだけ馴染めて、違和感無く過ごせるか、って事をやっていたんだと思うんですけど。

ハワイは日本とアメリカの、その混ざりあった中間みたいな所があって。たとえ英語がなまっていようとそれほど向こうの人も気にせず『お前、英語上手いな あ』くらいな勢いだし、『あれ?(英語上手い?)』っていうそんな感じでしたし。日本語とのチャンポンも、日系の方が話す英語なども好きだし、親しみが あって。そういう世界を知らなかったわけですよ。その居心地の良さのようなものを。日本人がハワイを好きな理由ってそのへんにあるのかもしれないですね。 なんか、微妙な、間な感じ。

 

「プルメリアハンティングがお薦め」

─最後にハワイでお勧めの場所がありましたら教えていただけますか?
田中:レインボーガーデンの佐野さんも薦めていらっしゃいますが、ココクレーターの植物園。プルメリアを見るならはずせないですね。
ほかに何かないかしらね。マニアック過ぎないのなんか無いかな(笑)。

武川:観光がいいですか?それとも例えば、いろいろ興味が、、、沢山あるじゃないですか。

─いわゆる観光じゃないような、ちょっと人がまだ行かない様な所とか。言っていいのかな、悪いのかな、っていうような。
武川:それは、誰が言ったって話になって、あいつ魂売ったってぐらいになったりしますよね(笑)。

田中:マカハにはカウカ・ワイルダーっていう、光が当たってオレンジに見えるきれいな色のプルメリアが大きな大木でお家の前にあったりするんです。
プルメリアハンティングをしてみるのも楽しいですよね。

武川:マカハの渓谷へ行くと風がいいんですよ。風がサーッと渓谷を抜けて行くんですけど、そこにロコが点々と家建てていて、そこの庭のプルメリアは虫も全然付いてないし。

田中:プルメリアも大きくなるとやっぱり虫とかつきやすいんですよ。
ココクレーターでも虫が付いて一気に切られたりしてるんですけど。
マカハは風がフワーって上から山から抜けてるんで、虫一匹付いてないですごくきれいですよね。

武川:住んでいる方もものすごいフレンドリーで、『枝ちょうだい』って言うと、大きな枝ごとパキって。トラックの後ろに載せて帰るくらいで。観光以外だったらプルメリアハンティングっていうのは面白いかもしれないですね。興味ある方には。

田中:気をつけてよく見てみるといろんな種類が見られるので、自分が好きな花というのが見つけられると思うんですよね。

─ハワイでは庭にある木は手入れはしてないんですか?ほっぽらかしなんですか?
武川:ほっぽらかしですね。次から次へと花が咲きますからね。

田中:も し勇気があれば、ドアをノックして『お宅のプルメリアきれいですね』って言ってみてもいいかもしれません。『もし良かったら買えますか?』って聞いてみる とたいていの人はやさしくて『いや、持って行っていいよ。切ろうか?』って言ってくれたりしますから。それでちょっと切ってもらって持って帰ってきたり。

武川:ただ、勝手に持って行くと怒られますから。ロコとコミュニケーションを楽しむつもりで話しかけてみるのも、楽しい想い出になると思います。

─今度ハワイへ行く時には、プルメリアハンティングに挑戦してみようと思います。どうも長い間、有難うございました。(2005年3月 プルメリア・リトルナーセリーにて)


■プルメリア・ユニバーシティ

プルメリアが大好きな人なら誰でも入会可能。年会費3800円で、年3回のニュースレターが届けられ、入会時にはオリジナルTシャツもプレゼントされます。
入会希望の場合は、住所・氏名を明記の上、メールまたはFAXでお問い合わせください。
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