2005年メリーモナークのカネ(男性)部門、完全制覇を果たしたハラウ・ナー・カマレイ、素晴らしい感動を残しました。
その、ハラウ・ナー・カマレイのクム、「ロバート・カジメロ」さん、8011web.comに、2度目の登場です。現在、ハワイ最高のクムの一人であり、 最高のアーチスト。そして、もっとも日本のフラを知っているハワイアンでもあるロバートさんがメリーモナークのこと、ハワイのフラのこと、日本のフラにつ いて、優しくも厳しく語ってくれました。
ロバートさん自身がハワイでもこんな話はしたことがないという、貴重な話が満載です。
ワークショップのために来日された際に新宿でインタビューさせていただきました。
(協力:コハラカンパニー ヒデ・カラニモク氏)

「全ての要素が1つになった結果」
−時間が経ってしまいましたが、2005年のメリーモナークでの活躍おめでとうございます。感想を聞かせていただけますか。
Robert:今は、2006年の2月(取材時)ですよね。昨年のメリーモナークは遠い過去の出来事のように感じます。夢の中で起こった出来事のようにね。メリーモナーク以後、様々な出来事があったので、夢の中で起こった遠い記憶のように感じています。

−あれほど素晴らしい成績がおさめられる事を確信していましたか?
Robert:い いえ、1位になるなんて全くわからなかったし、考えもしませんでした。ただ、勝ちたいという気持ちはもちろんありました。でも、本当に優勝するなんて考え もしませんでした。自分たちが今まで、良くやってきたということを確認したかったのです。私にとって、1位になったことは全くの驚きでした。

−ハラウ・ナー・カマレイがカネの賞を全て取ったわけですがその理由をどう分析していますか?
ROBERT:ナー・ カマレイのメンバーはよくやったと思います。彼らはジャッジ(審査員)の期待に全て応えることができたのだと思います。おそらくジャッジが期待する以上の パフォーマンスを披露したのでしょう。全てが上手くいったのだと思います。ナー・カマレイのメンバーも(その時を迎える)準備ができていたし、周りの人た ちも、私も準備ができていたのだと思います。全ての要素が1つになった結果だったと考えています。

−そういう良い結果、良いパフォーマンスをするためにどのような準備をされたのですか?
ROBERT:最 も大切だったのは、自分自身の準備をしなくてはいけなかったことだと思います。自分自身、精神・心に不要なものが無く、クリアであり、自分が教えるべきこ とが明確であるということを確かめなければなりませんでした。私が頭の中でイメージするものがナー・カマレイのメンバー一人一人のイメージと同じであるこ とも確かめなければなりませんでした。
それから私のクム・フラ(アンティ・マイキ)は私がイメージするものを喜んでくれるかということも確認しなくてはいけませんでした。私のクム・フラに恥を かかせるようなことや彼女の名を汚すことは絶対にしたくはないのです。

−メリーモナークで素晴らしい結果を出したわけですが、次の目標は?
ROBERT:続 けていくことです。1979年から私のハラウは、メリーモナークには10年毎に出場すると決めたのです。それにはいくつかの理由があります。まず一つ目 は、負けたくないから。二つ目は、多くのお金と時間を費やさないといけないから。三つ目の理由は、メリーモナークに出場する以上に私たちのハラウには大切 なことがたくさんあるからです。やりたいこと、やらなくてはならないことがたくさんあるのです。それらのために時間を使わなくてはいけない。それに私自身 がそのようにしたいのです。

次の目標は?と聞かれると、その答えは「いろいろなこと」です。
それは、新しいクラスを作ること。ハラウのメンバーは結婚して家族を作らないといけない。私は家のことをやらなければいけない。ハラウはファンド・レイ ザーをしないといけない。ヨーロッパ公演に出かける予定もあるし、とにかくやることがたくさんあるんです。だから次回のメリーモナークに出場するのはだい ぶ先のことになるかもしれないんです。

私のクム・フラの言葉“HULA IS LIFE”、私たちはその言葉通りだと信じています。全てのあらゆることはHULAに通じていて、次の目標に対するハラウ・ナー・カマレイとしての最高の 答えは、「ライフを続けること」、これこそ、私が出せる最高の答えです。

−それでは次回メリーモナークに出場するのは未定ということですか?
ROBERT:も しかしたら5年後、もしかしたら6年後、もしかしたら8年後かな(一同笑)。私はLazy(怠け者)だから。そうはいってもダンサーたちも年をとってきて いるからね。ご存知のとおりメリーモナーク出場資格に年齢制限があるので、私たちにもタイム・リミットがあるんです。ダンサーの中で3人は年齢制限のため にもう出場できないんです。出場できる年齢制限は55歳です。あと5年以内にその他4人のメンバーが出場できなくなります、だから新しいメンバーを発掘し て迎え入れないといけないんです。しかし、残念なことにハワイで新しい男性のダンサーを見つけることは困難なのです。多くの人たちは手っ取り早くお金を手 にしたいんでしょう。ハラウのメンバーとなって時間をかけるより、手っ取り早く収入を得ることがしたいようです。(笑い)

「ハラウの個性がなくなってきている」
−それではメリーモナークの話から違う話に。現在ハワイでのフラの流行・流れはどのような傾向だと見ていらっしゃいますか。
ROBERT:私 は今ハワイで見られるフラの流れが気に入っています。とてもエキサイティングであり、またトラディショナルな傾向です。それは、若くて才能のある指導者が 増えてきているからです。私の世代から見ると、このように多くの若い指導者がフラという芸術を継承していってくれることに大変期待しています。
ハワイ語、音楽、そしてダンスの重要性に対して、若い人たちは私に比べて、それらが正しいかどうかを確認することに一生懸命努力しているんです。
長年の活動の中で私は、トラディショナルなナンバーを受けついできているし、また多くの作品を自分自身で創作してきています。今の若い指導者たちは、トラ ディショナルな作品をよく調べて勉強しているんです。これはとても良いことだと思います。これが最近の傾向ではないかと思います。

−毎年コンペティションの時の流行のようなものがあるのですか?それは変わっていくのですか?
ROBERT:流行を考えたとき、男性のフラよりも女性のフラに流行が見られると思います。10年くらい前からの傾向としては、指導者がお互いに安全策をとっていたように見えます。
例えば、それぞれの指導者がハラウを率いてコンペティションに出場するとします。そして、私のハラウが優勝したとする。するとある指導者は私のハラウのダ ンサーたちの真似をして、ほかの指導者は私のハラウのダンサーが身に付けていたような衣装にして、そして、またほかの指導者は私のハラウのスタイルを真似 する。10年くらい前は、そういった流行というか傾向があったんです。もちろん一部の指導者たちに見られた傾向ですけれどね。彼らは良い賞をもらった人た ちと同じような格好やスタイルを取り入れたかったのでしょう。そうすることで自分たちが勝つということに役立つと思っていたんでしょうね。

それに比べて私が若かった頃は、それぞれのハラウのスタイルというものに特徴があって、そのスタイルを見るだけで彼女・彼らがどのクム・フラの指導を受け ていて、どこのハラウの人たちなのか見分けがついたのです。今は、特にこれは女性のフラに多く見られますが、みな同じに見えるのでどのクム・フラの指導を 受けていて、どこのハラウの子たちなのか見分けがつかないんです。例えば、私はジョニー・ラムホーのスタイルを知っています。彼は自分のフラ・スタイルに 自身があるし、誇りを持っているから、あえて私のハラウのスタイルを真似て優勝しようなんて考えてもいないんです。マクワナ・デ・シルバも同じようにね。 彼らは、アロハ・デルレイの真似をしたりしないんです。

ところが10年くらい前から傾向が変わってきて、勝者のように見せるために、ハラウの特徴であるスタイルやポリシーを変えれば今度は自分たちが勝てると考 えるような指導者・ハラウが現れてきたのです。
それから最近7〜8年の傾向として見られるのは、コンペティションでいい成績をおさめれば、ハラウに多くのダンサーを獲得できるというものです。ハラウが 優勝すれば、自分も優勝経験のあるハラウに入って踊りたいと思う人がたくさんいます。だから、優勝するとたくさんの人がハラウの門を叩き、生徒数が増え て、人数が増えたことでその分多くのお金を稼ぐことができるし、レッスン料だってもっと請求するようになるかもしれないでしょう。お金が絡んでくること、 これもある意味で傾向の1つといえるかもしれませんね。もしくはこれは別の考え方というのかもしれませんけれど。

−誰に習っているのかが、わかりづらくなってきていると言うことですか?
ROBERT:そ うなんです。見分けがつかない。カネ(男性)よりワヒネ(女性)に多くみられる傾向ですけれどもね。もちろんカネのハラウはそれほどたくさんないから。カ ネの場合はスタイルでどこのハラウかわかるのです。例えば、多くの人たちは、ナー・カマレイのスタイルがわかるようにね。でも、女性のハラウの場合は、 (見分けるのが)とても難しい。特にメリーモナークには27ものハラウが出場しているから。でも、私の時代、20歳くらいの頃は、各ハラウのスタイルに特 徴があってスタイルでどこのハラウのダンサーか見分けがついたんです。

「私たちのカルチャーです。そのことは忘れないで」

−日本でもコンペティションが増えていますが、コンペティションについてはどう思われていますか?
ROBERT:長 い間コンペティションについていろいろなことを考えてきたのだけれど、良いものもあれば、それほどでもないものもありました。今は、コンペティションにつ いて言うならば、“Just OK“といったところでしょうか。それほど重要ではないものという意味です。自分が他の人たちと競うコンペティションはそれほど重要なことではないんで す。

なぜならば、自分のハラウで自分自身と戦うことのほうがもっと重要だと思うからです。つまり、去年の自分自身と今年の自分自身が競うこと、今年の自分は去 年の自分より成長しただろうか?去年の自分よりもっと良い人間になっているだろうか?指導者として去年の自分より成長しただろうか?など、私にとって、そ ういうことのほうがより重要なことなのです。

メリーモナークやカメハメハ・フラ・コンペティションに出場していい成績をおさめること、それはそれで素晴らしいことでしょう。でも、もし成績が振るわな かったら自分の心に聞いてみるでしょう。指導者としてその曲を教えているとき、去年の自分より上手く教えていただろうか?また、ダンサーたちは、私のこと を見て「私たちはあなたから教わっていることを誇りに思います。(あなたのハラウのダンサーであることを誇りに思います。)」と言ってくれるだろうか?私 のクム・フラは私の姿をみて「Robert, Good Job!」と言ってくれるだろうかと。私にとって、これが本当のコンペティションなんです。これが最も重要なことなのです。だから、私は日本の代表的なコ ンペティションに(ジャッジとしても)は一度も参加したことはないんです。私の人生において、コンペティションはそれほど重要なものではないんです。それ だけです。

−しかし、日本ではコンペティションが増えていて、良い成績をおさめようとして皆、一生懸命努力してます。前のお答えの後に聞きにくいのですが、あえてお聞きします。コンペで良い成績を上げるためには何が必要だと思いますか?
ROBERT:私はまず彼らに訊ねます。「コンペティションに勝ちたいという理由:あなたにとって、一番重要なことはなんですか?」私が重要だと考えることを彼らに教えるわけにはいきません。だから私は彼らと一緒に座り、尋ねます。彼らが何が重要だと思うのかを。

よい成績をとることで、より多くのフラ・ステューデントを確保できて、もっとお金を稼ぐことができるだろうと思うから?正直に言えば、フラは、日本のカル チャーではないんです。フラは私たちのカルチャーです。だから違う視点で見ているんです。私は自分のカルチャーを愛しています。大切に思っています。フラ は数少ない残された私たちのカルチャーの1つです。そういった理由で私は彼らに尋ねるんです。あなた方にとって何が重要なのかを。あなたにとって、どうし てコンペティションが重要なのかを尋ねます。私にとってどうしてフラが重要なのかというと、それは、私のカルチャーに命を与えるからです。

私は誰にもアドバイスなど与えたりしません。与えるアドバイスなんてありません。だって彼らは自分がやりたいことは、人がなんと言おうとやろうとするで しょうから。そうでしょう?ただ、私は謙虚にこうお願いします。私たちのカルチャーです。そのことは、忘れないでください。決して安売りしないでくださ い。とても美しいものなのですから。命あるものなのですから。それだけです。

−そのお答えを受けて、お聞きします。日本人がフラをすることの意味をどう考えますか?
ROBERT:真 摯な質問をしてくれているなら、私も正直にお答えしましょう。私は日本でこれまで何度かハワイのフラよりも美しいフラを観てきました。また、私は日本でこ れまで何度かそれはそれは酷いフラも観てきました。そう、素晴らしいものから酷いものまで。そしてその他のフラはだいたい素晴らしいフラともの凄く酷いフ ラの中間のものです。これに関しては、ハワイのフラでも同じことが言えます。私たちのハワイ・カルチャーであるフラにおいても本当に美しいフラ、そして、 恥ずかしくなるくらい本当に酷いフラを観てきました。そして、カリフォルニア、ニューヨーク、ドイツ、またメキシコでも同じことを目にしてきました。これ が正直な感想です。

「決して一人ではできない」
− 昨年になりますが、ジャッキー(ジャッキー・ブース氏)にも、インタビューさせていただきました。ロバートさんの話で盛り上がりました(笑い)。ジャッ キー曰く、あなたは振り付けが完璧に頭の中で組み立てられている天才だと言うことですが、振り付けはどの様なイメージで行うのですか。
ROBERT:殆 どの場合、時間をかけて創り上げます。それ以外の場合は、リハーサルの最中に変更を加えたりしてやり直します。だから時間をかけて創り上げる場合とリハー サル中に組み立てて作ってしまう場合と両方ですね。リハーサル中に出来てしまえる時はとてもラッキーです。その場でふさわしいことが思い浮かんでそこでで きてしまうんです。

時間をかけて考えているときはたいてい自宅で夜遅い時間帯です。もしくは、ウオーキング・エクササイズをしている時にだったりします。そういう時は、いろ いろなことを考えることができるのでね。ペンとノートを用意していて、思いついたら忘れないように書き留める。特に、メイ・デイやPPHEの構想を練る時 は、より多くのアイディアを考えます。そろそろメイ・デイ(5月1日に行われる恒例のコンサート)のことを考えないといけない時期なのですけれど、まだ考 えていないんです。でもそろそろ考えはじめないといけないんです。

でもね、このことはお知らせしたい。周りで助けてくれる人の存在がなければ決して一人ではできない作業なのです。ハラウのダンサーたち、アラ、ジャッ キー。私の考えたことが現実のものになるのは彼らの存在があってのものなのです。あなたはこっちから出てきて、そこのあなたはこちらから、そこの2人はこ ちらからあちらにはけて、みたいに彼らは私の指示を聞いて、その通りにやってみせてくれるのです。だから、私を天才にしてくれているのは彼らなのです。私 はこの方法を私のクム・フラから習いました。彼女こそ天才だと思いますよ。

−ダンサー達がなかなか覚えられないといらいらしますか?
ROBERT:必 要なのは「忍耐。」忍耐は非常に重要なのです。でも若い頃の私はまったくそうではありませんでした。言った事は、今すぐにでもできないと我慢がならなかっ たんです。去年のメリーモナーク出場に際して、私たちはかなり前から準備をはじめていたんです。なぜかと言うとパフォーマンスを習得するためには時間と忍 耐を要するであろうことはわかっていたからです。私が思い描くビジョンを同じようにダンサーたちが見るためにも。私が教えていることが正しいかどうか確認 するためにもね。

リハーサルにやって来るアラやその他のダンサーたちが私の振り付けを見て言うことに耳を傾けること、天才であるためには、周りの人たちが私を天才だと思っ てくれるためには、周りの人たちの協力が必要なのです(笑)。

そして信頼関係も。自分ひとりの力ではだめなんです。多くの人たちの協力や助けが必要なのです。幸いなことに私にはそれがあるんです。ハワイ語で Kokua、協力があれば、そのコンペティションで勝ったようなものです。あえてコンペティションになんて出場する必要はないんです。信頼、愛、そしてサ ポートを伴った勝利はその空間に存在するのですから。

天才になるために(笑)…時々自分は天才だと思う時もあれば、バカだと思う時もあります(笑)。ハラウのパフォーマンスのための振り付けは、自宅で一人き りで鏡に向かって考えるんです。それで、クラスに行って、ハラウのメンバーがそろったら考えた振り付けを教えるんです。彼らは私の振り付けを見て 「Wow!凄く美しい!」って言うんです。私は「そう?」で、彼らは「はい、とっても美しいです。」って。それで私は、「そうでしょ!もちろんです。とて も美しいでしょ。」って言うんです(一同笑)。でも実際は彼らがそう言うまでそれがよいものなのか不確かなんです。だから、誰かの助けや協力が私を天才に してくれているんだと考えるんです。

その他にも振り付けを自分で考えてそれを教えると、彼らは「これは良くない、むしろ最悪です。」なんて言うんです。それに対して私は「そんなことない。こ れはとても素晴らしいんです。」と言うんです。また、彼らはこれほど直接的に私の振り付けを批難しないまでも、あからさまな態度で批難するんです。彼らの やり方はこうです。私の振り付けを見ながら、「Oh….」って。それで私がどうしたのかと訊ねると、「いいえ、何でもないです。。。」と言いながら目を背 けるんです。これがヒントです。今日の私は天才なんかではなくて、むしろ失敗のメチャクチャだったと気が付くんです。もう一度やり直さなくてはいけないと 思うのです。これはラッキーなことです。なぜなら本当に良い友達や教え子たちしか真実を言わないからです。真実の声に耳を傾けること、そうすることで良き 指導者としてやっていけるのです。私はそう思います。

−もしあなたがコンペのジャッジ(審査員)だったらどこを見て採点しますか?
ROBERT:こ の質問にはすぐに答えられます。私の答えは簡単。ジャッジ(審査員)は引き受けないということ。(同席するヒデ氏が一言、「それは知っているよ。」)そ う、彼(ヒデ氏)とはこの事について話しているから、承知のことなんだけれど。私は日本でもホノルルでもジャッジをやるつもりは全くないんです。頼まれた ことはあるけれどね。(どうしてジャッジを引き受けないかというと、)ジャッジをやることは私にとって重要なことではないから。ジャッジをやらないと選択 できる私の人生は恵まれているんです。だから、私の答えは、「アリガトウ。But, Aole(ハワイ語でNo=いいえ、結構ですの意味)。」なんです。 正直な答えです。

「フラは第一に守っていくべきもの」
−少し質問を変えさせていただきます。抽象的な聞き方で申し訳ありません。フラとハワイアンのアイデンティティーの関係について、教えていただけますか?
ROBERT:フ ラは私たちのハワイアン・カルチャーに残された数少ないものの1つだと考えています。ヴィッキー−(クム・フラ:ヴッキー・ホルト・タカミネ氏)が精力的 に活動している運動の一端は、例えばレイを作るのに必要なLokoを獲りに行ったりするために集まる権利を守らないといけない(レイを作るために必要な植 物を取るために私有地などにはいる権利および許可)。

そのためには私たちは許可を得なくてはならない。だから私たちハワイアンはみんなで1つになって「'Ilio'ula'okalani」というハワイアン のために戦うための連合団体を設立したんです。ハワイアンであることに係る非常に多くの人たちや物事がとても重要なことであり、サポートを必要としている のだということがわかってきたのです。だから、様々なハワイアン・カルチャーに対して支援すること、私たちハワイアンのほとんどの人間がこの運動にかか わっているのです。私たちは、ハワイアンである全ての物事を大切に守っていこうと心がけています。でも私にとっては第一に支援し常に守っていくものはフラ なのです。フラは第一に守っていくべきものなのです。質問の答えになっているといいのですが。

−これは、日本の雑誌に出ていて、私が正確に理解しているかどうかわからないのですが、ヴィッキー・ホルト・タカミネ氏が、「フラはハワイで政治的な意味合いを持つことができる」とインタビューで語っていたのですが、ロバートさんはどのように思いますか。
ROBERT:フラが政治的な道具になり得るかという質問ですか?正しく使われれば、良いと思うし、また同時に危険でもあると思います。だから、私たちは、そこのところをよく学習して、私たちが何をしたいのかを明確にしておくべきだと思うのです。私たちには選択肢があるのです。

ヴィッキーには一連の活動のリーダーとしての役割が与えられていて、彼女は、人々のサポートが必要な時、eメールで呼びかけるのです。そしてその呼びかけ に応えて、賛同するなら集会に足を運ぶ。この方法は、それぞれの活動に対して重要だと感じ、そしてそれを支援するか否か私たちに選択肢を与えてくれるので す。これは彼女や私たち、そしてフラ・コミュニティーにおいての活動です。私たちには活動を支持、賛同してサポートするか否か選択肢があるのです。

私の場合、ヴィッキーが何かしらの運動を起こそうとしているなら、私は参加するでしょう。そうなれば、とても大きなグループの集団行進になるでしょう。で も、私が東京に行かないといけなくなったら、ヴィッキーに断るんです。「ごめんなさい、ヴィッキー、残念だけど、参加できません。」って。でも、もし都合 がついて参加できて、それが私が支援したいことだったら、その活動に参加するつもりです。彼女には彼女の活動に賛同して参加する人々のグループがいます。 彼女はそれらの人々に知らせると、彼らは集合に参加するのです。それは、本当に政治的な、そして素晴らしい力なのです。

−今ハワイでは、ハワイ語のトラディショナルな音楽というものでフラを踊りたいという傾向があるというふうに聞いているのですが、ロバートさん自身としてはハパ・ハオレ(白人が作ったハワイ音楽)の音楽やそれで踊ることについてはどのように考えていますか。
ROBERT:い い質問ですね。まず第一に、トラディショナルなメレ(音楽)でフラを踊りたいという人たちが多くいるというのは興味深いことですね。私はトラディショナル なメレもハパ・ハオレと言われているメレも両方好きです。それに新しいタイプのメレも好きです。ハワイ語のラップ・ハワイアン・ミュージック。もちろん英 語のラップ・ミュージックだって好きです。私はこれらの音楽、全部好きです。

− 去年もお聞きしましたが、グラミー賞についてです。今年2回目の発表があって、今年はダニエル・ホーさん達が受賞しました。私たちは彼にインタビューさせ てもらったことがあったので、グラミーをとってくれて嬉しく思うのですが、やっぱりスラック・キーの曲しかノミネートされないというのはどうも…、せっか くグラミーができて嬉しいな、これで何か起爆剤になるかなと思っていたのに、ほとんどがスラック・キーの楽曲という状況についてどう思われますか。
ROBERT:昨 年はスラック・キーが獲って、今年こそはスラック・キーでない作品が受賞することを期待していました。誰かも言っていたけれど、スラック・キーでない作品 が受賞するべきだと思うのです。しかし、審査、投票する人たちは皆本土のアメリカ人たちです。彼らはハワイアン・ミュージックというものを知らないでしょ う。アメリカは大きな国だからね。投票したほとんどの人たちはミュージシャンや音楽に携わる人たちと聞いているけれど、彼らはアルバムのジャンルや楽器に 票を投じたんだと。だから、私は、現在のカテゴリーの他に、歌や言語といったカテゴリーも設立されることを望んでいます。

−パンパシフィック・フラ・エキシビション(PPHE)までに、また来日することはありますか?
ROBERT:5月と7月に来るかもしれません。ブラザーズとしてか個人としてかはまだ未定ですが。

−今年のパンパシフィック・フラ・エキシビション(PPHE)の構想を教えてください。
ROBERT:私 たち、ナー・カマレイは自分たちのハラウのことを季節的に活動するハラウと呼んでいるんです。どういうことかと言うと、私たちには毎月やるべき活動がある ということです。今月は2月ですから、来る3月の予定の準備をしなければなりません。3月にはハワイ・シアターでのコンサートがひかえています。そしてハ ラウのファンド・レイザーもあります。それから4月になったらハラウで公演旅行に出ます。だからその準備もしなくてはならない。旅から帰ってきたらすぐに 5月1日のメイ・デイ(レイ・デイ)の準備をしなくてはいけない。メイ・デイが終わったらマウイ島に飛んで、その後カウアイ島、カリフォルニア、ニュー ヨークに行く予定なのです。各地から帰ってきたらもう6月です。6月はハラウのバースティなので数多くのパーティで忙しいでしょう。7月にはイタリアに行 く予定が入っています。私達のスケジュールがどんなに忙しいかわかるでしょう?10月(に予定されているPPHE)のことを考える時間はまだないんです。 8月くらいになったらまた聞いてください(笑)。8月までには準備をしていないといけないですからね。

−しつこくお聞きしますが(笑い)プロデューサーとしての目玉構想は?
ROBERT:そ うですね、昨年は出演者全員によるカヒコを披露しました。私がヒデに提案した今年のプランは、日本人の出演するダンサー全員が同じ曲を踊るというもので す。私が全員に同じ曲を教えるんです。そうしたらみんな一緒に踊れるでしょう?フルキャストで同じフラ・ナンバーを披露するんです。面白いと思うんです。 そのことすっかり忘れてました。ごめんなさい。

これが今年のPPHEの構想です。しかし、先程お話したように、私にはやらなくちゃいけないことが山のようにあるんです。3月、4月、そして6月、7月、 イタリアから帰ってきて、10月のPPHEが終わって帰ってきたら今度はアルゼンチンとリオデジャネイロにも行くんです。毎月毎月予定が入っていて大忙し なんです。だから、PPHEのことをゆっくり考える時間はまだないんです。

−本当にお忙しくしていらっしゃるんですね。世界各地を旅して周られてとても素晴らしいですね。
ROBERT:本当に素敵でしょう。私の人生は素晴らしいものです。とても幸運だと思っています。

−ヒデさんの構想は?
ヒデ・カラニモク氏(コハラカンパニー代表):ロバートさんが何気なく言ってますけど、それが大きな今年の目玉なのです。

−先程ロバートさんがおっしゃっていましたけど、各日本のハラウに同じ曲をロバートさんが振り付けてという事ですか?それはハラウ単位ではなくて?個人にということですか?

ヒデ:ダ ンサーのピックアップは各先生に任せて、各グループ2人から3人くらい、全部で10グループであれば総勢30人くらいのキャストで。まず誰になるかわから ないのでとりあえずグループで教えて、その中から各先生がピックアップしてということになると思います。演奏はハワイ側になります。それが目玉ということ で。

−では、ダンサーは自分が選ばれるか選ばれないかというのも楽しみになってきますね?
ヒデ:そうですね。最初のロバートさんのワークショップに参加できない人たちは申し訳ないけれど、そのコーナーには参加できないということになりますが。

「一番大切なことは何かを知ってもらいたい」
−日本人にフラを教えることに困難とか違和感とかを覚えたことはありませんか?
ROBERT:問 題とか困難だとは言いませんが、日本でフラをやっている少数の人たちのことがよく理解できないことがあります。それは指導者たちで、彼らが誰なのかは詳し く知らないんですけれど、曲に対してどんな色の衣装を着たらいいかとかこの曲にはどんなレイを使ったらいいかとか質問してくるのは止めて欲しいんです。私 がその衣装を着るのでもレイを使うのでもなくてあなたたちが使うのでしょう?ピンク色が好きならピンク色にしておけばいいでしょう、と思うんです。そんな 質問はされても困ります。やめて欲しいんです。何色の衣装を着るとかどんなレイを使うかなんてもっとも重要でないことです。

フラをどのようにパフォーマンスするかが最も重要なことだと私は思うのです。しかし彼らは、「何色の衣装を着たらいいですか? レイは? どのようなスタ イルのドレスを着たらいいですか?」って質問してくるんです。私はドレスなんて着ないし、どうでもいい事です。「どんな花を使えばいいですか?」なんて質 問してきて、よければ、桜でもつけておいたらどうなの?って言いたくなるんです。私の言っていることがわかりますか?お願いだから私にそういった質問をし ないでください。「ハワイの人たちはこういうドレスを来て、こういう花を使って、こういう色を着ますか?」私が、「さあ、(わかりません。)」って答える と、「わからないんですか? どうして?」って。私にはもう全く理解できないんです。だから、どうか私にそういった質問をしないで欲しいんです。そういっ た質問を受けた時は私はただ笑うだけで、答えないんです。「アハハハハハ、ワ・カ・ラ・ナ・イ」って。本当にばかげた質問です。全く理解できない。もし万 が一、私が彼らの質問に答えたら今度は、「ロバートがこういったから、このタイプのドレスを着なくてはいけない。」なんて始まるわけでしょう。

そうはいっても実際に今までに(ドレスの色、ドレスのスタイル、レイに関して)酷いものを見たことはないんです。一度もありません。いつだって良いもの だったと記憶しています。厳しいことを言うようですが、本質的なこと、一番大切なことは何かを日本の方に知ってもらいたいからなんです。

明日ハワイに帰りますが、今回もとても素晴らしい滞在でした。大阪は本当に楽しかった。それと食べ物が最高です。

−今回はどんなおいしいものに出会いましたか?
ROBERT:いつも来る時に食べるものはもちろんですが、今回は大阪でとても素敵なお寿司屋さんに行ったんです。楽しかった。

−ところでヒデさんのフラは上達しているんですか?
ROBERT:彼 のダンス?No… No。その理由は、一緒にレッスンをする時間がないからです。僕は彼をナー・カマレイのメンバーに入れることはできないのです。というのは、メンバーたち は毎週レッスンを受けにやってくるけれど、ヒデは東京に住んでいるでしょう。難しいんです。でも僕の夢は、いつか彼がメンバーの一人になることなのです。

ヒデのフラが上達したかどうかの答えは、Noです(笑)。でも下手になったりはしていないんですけど。以前と変わりません。ただ、少なくとも彼は僕にどん な色のドレスを着たらいいかなんてことは質問しないですけどね(笑)。

−ではヒデさんが、誰か才能がある人を見つけてロバートさんのハラウに送り込めばいいのでは?
ROBERT:(ヒデさんに向かって)君が3人見つけてきたら、僕はその中から一人選びます。でもね、僕はヒデ以外の人を日本からは選びません。僕はヒデがいいんです。他の誰ではなくて彼がいいんです。彼はナー・カマレイのスタイルを受けつぐことができるのです。

ヒデ:(ロバートさんに向かって)「ありがとう。」

−今、ナー・カマレイのスタイルとおっしゃいましたが、その特徴はどんなところですか。
ROBERT:いい質問ですね。どういったらいいのかな?体の姿勢や、腰の動き、フラに対する姿勢、そしてダンスを愛する心といったところですね。

ヒデ:もう1つ付け加えていいですか?

−どうぞ。
ヒデ:指導者を敬う姿勢、いかにしてハワイの文化を伝えていくかということです。

ROBERT:とても大切な事です。

ヒデ:こんな話をロバートがしたこと無いですね。

−今、話してくれているけど、ハワイで教えている時はそんなことは言わない?それじゃあこれを聞ける日本の人は幸せですね。すごく貴重なわけですね?
ヒデ:(ロバート氏に向かって)こういった話を一度もした事無いですよね?

ROBERT:そうですね。いつだって忙しくてそういう時間がないからね。

ヒデ:僕はただ、彼らの生活に触れたり、そこから感じたりして吸収しているんです。

ROBERT:実 際にヒデは僕のハラウのメンバーではないのです。僕たちは長い間の友人なのです。もともとは同じ先生からヴォイスレッスンを受けていたことが知り合った きっかけなのです。それ以降彼は僕のハラウのためにいろいろなお手伝いをしてくれています。それを通じて彼はレイメイキングなどを習得していったのです。

−クム・フラとは大変なポジションですか?

ROBERT:そ うですね。大変なことです。30年以上もの間僕はフラを教えてきましたが、今から15年以前は誰一人として僕のことをクムとは呼んでいませんでした。誰か が初めて僕をクムと呼ぶ前に僕は15年以上フラを指導していたんですが、誰かが僕をクムと呼ぶようになったのは、それは僕のクムが亡くなってからのことで す。僕でさえ僕のクム(アンティ・マイキ)をクムと呼んだりしません。僕は彼女をニックネームで呼んでいたんです。ですから、僕はクム・フラになった時、 非常に大きな責任を負ったと感じました。

−今はハラウの生徒さんたちにご自身のことをクム・フラと呼ぶことをお許しになっているのですか?
ROBERT:は い。彼らは僕のことをクムと呼びます。しかし、もしあなたが新しい生徒で、レッスンに加わったばかりの生徒だったら、僕をクムとは呼びません。僕のことは ロバートと呼ばなくてはいけません。その後、正式にハラウのメンバーの一員となったならば、僕のことをクム・フラと呼んでもよいのです。他のハラウの生徒 たちが僕のことをクム・フラと呼ぶのは快く感じません。それは、その生徒たちは自分たちの指導者をクムと呼ぶべきだからなのです。

僕は自分のことをあまりシリアスにとらえないようにしているのです。僕はクム・フラでもあり、ハワイで有名なシンガーだけれど、そんなことはどうでもいい ことです。それよりももっと大切なことは、今日どんな行いをして昨日より良い人間であっただろうか?それができてクム・フラなのです。ダンスを学ぶ誰かの ために、僕はできる限りの全てを尽くして役に立っただろうか?それが出来てよい指導者なのでしょう。それだけです。

−本当に長い時間、大変貴重な話をありがとうございました。是非また10月にお話を聞かせてください。

「この後、スペシャルトーク!!」
ところがここで終わらないところが8011web.comのすごいところ。
とっておきの秘話を読者の方だけにご披露します。
インタビュー終了後の雑談中にロバートさんから爆弾発言が!!!!

ROBERT:(ヒデ氏に向かって)今日何処に行ったか言ってもいいかな?

ヒデ:今日のレッスンの後に行った所だよね?

ROBERT:先 程のレッスンの後に、僕たちは、なんていう名前だったっけ??そう、「プロピア」に行ったんです。そこで実際に試してみて、僕の頭のサイズを測ってね。ま るで新しいアロハシャツをオーダーしに行ったみたいな感じです。コンサートでは時々髪の毛があったり、また別のコンサートでは髪の毛が無かったりして。こ れって凄く面白いと思って。8インチの長さの前髪を試してみたりしてね。とても楽しかった。だからコンピュータからハワイのファミリーや友達にイーメール で写真を送ろうかと思っています。「今日、僕はプロピアに行ってきました。」ってね。次回また日本に来る時はそれが出来上がっているはずなのです。楽しい でしょ?

−注文してきたってことですか?

ROBERT:はい、注文して支払いも済ませてきました。だから、次回東京に戻って来たら僕は、「どうもありがとう、プロピア!」って言いますよ。

−素敵な体験でしたね(笑)?

ROBERT:ええ、とても素晴らしい体験でした。今度は青い目を手に入れようかと考えています。

(一同笑)
髪の毛がたくさんあるロバートさんが次の日本では見られるようです。皆さん是非注目して見てください。

(2006年2月)
協力:コハラカンパニー


information

 

■パンパシフィックフラエキシビジョン(P.P.H.E 2006)
「本物のハワイがやってくる」ーハワイの文化・伝統、そして未来を感じるー
・東京
会場:昭和女子大学・人見記念講堂
日時:10月8日(日)  14:00開場  16:00開演  20:00終演 (予定)
10月9日(祝)  12:00開場  13:00開演  17:00終演 (予定)
チケット:SS席/\12,000- S席/\10,000- A席/\8,000- B席/\5,000-
・札幌
会場:札幌厚生年金会館
日時:10月10日(火) 15:00開場  16:00開演  20:00終演 (予定)
チケット:S席/\9,000- A席/\7,000- B席/\5,000-
・チケット発売
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
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