日本では数人しかいないと思われる、プロのレイメイカーの中でも最近 活躍がめざましい大谷幸生さん。レイメイカーの方のインタビューをしたいと考えていたのですが、ハワイ、地方と忙しくされていてなかなか機会がありませんでしたが、やっと実現しました。
日本と言うバックグラウンドを大切にしながら、ハワイの文化であるレイを皆さんに伝え、
誰もがレイを作れる様になれば良いと語る大谷さんは自然体の方で、日本の花を使って作るレイは
とても素敵なモノでした。
最近出版された、レイメイキングの本を見て私もチャレンジしてみたくなりました。
【プロフィール】
大谷幸生(yukio otani)
日本の土地に育つ花を使い、様々な手法をたくみに駆使しオリジナルのレイを編みあげる
レイ・メイカーとして活動中。自然との調和を心がけ花の持つ美しさや意味を
最大限に生かすことを心がけていたところ、レイと出会い、レイ作りの人間国宝 マリー・マクドナルドさんのもとで勉強を続ける。
日本全国で心温まるレイのワークショップを展開し人気上昇中。(UMAHANA WEBサイトより)
-現在はどのような活動をメインにしていらっしゃいますか?
大谷幸生:五反田の教室と地方に出張して、レイメイキングクラスを中心に活動しています。他には、コンサートのステージの装飾や、コンサートツアーに同行してミュージシャンやダンサーのレイを作ったりしています。
-レイメイキングに関する活動が主ですか?
大谷:そうですね。今はレイメイキングの仕事が多くなっています。
-花の仕事を始めたのはいつ頃からですか?
大谷:12~13年前になります。2年間自分の店、お花屋さんをしていましたが、雑誌の仕事が多くなったのと、外国のデザイナーからの仕事もあったので、お店をたたみました。
お店をやっていた頃から、皆さんにお花を楽しんでもらいたいという気持ちがあったので、フラワーアレンジメントの教室を開いていました。
僕自身は花の学校に通ったこともなければ、教室にも3回しか行ったことがありません。お花屋さんもほとんど経験なく始めましたが、幸い僕のスタイルが良いと仰ってくださるお客さんに支えられて、約束事にとらわれず、自由に楽しむ教室をずっと続けてきました。
楽しいことを最優先するスタイルの中で、ある夏の日、「夏の季節に合う花を題材にしてみてもいいかな、レイというのはどうなのだろう」ということをぼんやりと考えました。その時はレイにはいろいろなものがあるとは全然知りませんでした。
-それは、フラが流行りはじめて、レイが認知され始めた頃ですか?
大谷:フラレアなどはもう出版されていましたし、もう活躍されている先輩方もいらっしゃいましたので、レイは日本でも認知されていたと思います。
-フラワーアレンジメントをする上で、ひとつの「季節のアイテム」としておもしろいかなという位の感覚だったのですか?
大谷:はい。レイを教えるどころか、作ってみたこともありませんでした。ただぼんやりとそんなのもおもしろいかなあという感じで、たぶん針と糸で繋げればいいのだろうという程度にしか思っていませんでした。
-本格的にレイを作り始めたのはいつ頃ですか?
大谷:自分のお店をたたんでからは、作業を自宅兼アトリエですることが多く、あまり外に出ませんでした。僕は外に出るのが得意ではなかったので。
子供の時も、学校から帰ったら家で粘土の小さいお寿司などを沢山作って、「いらっしゃーい」「じゃあ、次トロ」、「ごちそうさま」などと一人で遊ぶ、そういう子どもだったんです。
-ブログを拝見しましたが、家にいるのが好きだというイメージが全然浮かばなかったので、今そのお話を伺ってびっくりしました。
大谷:ある人に「世界を広げるためには外で遊ぶことも必要だ」と言われてカフェに行ってみたらとすすめられ、地元のハワイアンカフェに遊びに行くようになりました。でも、本当に出かけるのは嫌いで、カフェに行って何をするの?という感じでした。そもそもカフェへ行くことがありませんでしたし、行けば自分に何かプラスになるからと、ドキドキしながらお店に入ったのを覚えています。
その当時、一連のハワイ関連のものはあまり好きではありませんでした。僕は初めて行った海外旅行がハワイで、ハワイはとても気に入っていましたが、ワイキキで見かける買い物ばかりしている人達にはあまりいい印象を持っていませんでした。
本にも書きましたが、そういう自分の持っていたイメージの人達が集まるところだろうと思っていたそのハワイアンカフェは、飾り気がなく、気さくなフラガール達がいて、僕が花の仕事をしているという話をしたらレイの話をしてくれました。
レイは日本ではまだ作れる人が少ないこと、自分達も作れない、ハワイから空輸しなければ手に入れることの出来ない特別なものだということ、生の花を使った方が良いことはわかってはいるけれどイミテーションを使っているという話を聞いて、もっと気軽に作れる様にならないかな、と思いました。僕は花も好きだし、ハワイも好きだから、僕がレイを作れるようになって、大好きなハワイと花を引き合わせてくれた人達が身につけてくれたらいいなと考え、本格的に勉強しようと思いました。
-レイメイキングをやってみようかなと思い始めて、実際にはどうやって勉強されたのですか?
大谷:まずは洋書をひと通り買いました。フラワーアレンジメントも全部独学なので、まあ何とかなるだろうと思っていました。
そこのカフェにはフラを長く学んでいる人やハワイが好きで何度も行っている人が大勢集まるので、いろんな話を聞くことができました。
見様見真似でいろいろ作ってはそれを見てもらって意見を聞いて、直してまた見てもらうということを繰り返しました。僕は語学が堪能な訳ではないので、洋書を見てもさっぱりわからなかったり、翻訳ソフトを使っても意味が通じななかったりすることもありました。洋書の解説はステップが少ないから、大体こんな感じなのかなと見当をつけたり、みんなが「レイの後ろはこんな風になっていた」と教えてくれるような情報だけで試行錯誤を繰り返していました。
-その後ハワイに本格的に勉強しに行こうという時が来る訳ですよね?
大谷:そうですね。やっぱり実際に行って、見ないことには…。
最後にハワイへ行ってから、レイを作り始めてまたハワイへ行くまでに10年間位ブランクがありました。ハワイのこともレイのことも全然わからないので、実際にハワイへ行かないことにはみんなと同じベースの話ができないと思い、行くことに決めたのです。
でも、1回目はレッスンも受けられないで帰ってきました。そんな中、「教えてくれる人がいるから訪ねてみれば」と人に紹介されたものの、実際作ってみると全然できなくて挫折して帰り、また練習をしてハワイへ行くという感じでした。
-独学で本を見て自分で勉強していた時と実際に行ってやってみた時のギャップはありましたか?
大谷:レイとはこういうもので、こういう歴史があって、こういう背景があって、ハワイの人ならみんな作れる、作れなきゃハワイの人じゃないという風に思って行ったのですが、実際はそうではないことがわかって、ちょっとビックリした部分もありました。
今の先生に巡り合うまでに2人の人に教わりました。最初はハワイに留学している日本人の方でした。2人目はカウアイ島のカウアイミュージアムで紹介してもらったレイメーカーのおばあちゃん。みなさん親切に教えてくださいましたが、自分の知りたいことが思うように解決しないもどかしさがありました。でも、そういう機会をもらえたことを感謝しなさいと周りの方々に教えられました。そういう心を持つことこそ大切にしなければいけないってことを、まだまだ勉強しなければならないことは多いなって。
-日本で勉強している間に、レイについての知識、フラについての知識は十分に頭の中にあったのですか?
大谷:十分とは言えませんが、作り方だけでなく、精神的なものも大切だということを何となくはわかっていました。その両方が身につくまでは表舞台での活動もしないと決めていました。
レイメイキングへの考え方が根本から変わったのは、今の先生、マリー・マクドナルドさんの存在を知ったことだと思います。
それまではどんな洋書を見ても、ウェブサイトを見ても、レイはトロピカルなもので、自分の中で想像出来る範囲のものだったのですが、先生のレイはそれまでのイメージにない日本にも育っているような草花や、「こんな花もレイにつかっていいんだ?」というものでした。
先生が作った僕の目の前のレイは、花の合わせ方や配色がすごくきれいで、僕が探し求めていたのは「これだな」と思いました。
-レイメイキングの魅力はなんでしょうか?
大谷:とにかく自分がレイを作ることがすごく楽しいのです。僕はもともと運動よりも何かものを作ることが好きだし、日本ではハワイと同じ花は手に入らないけれども、この花を使ったらどうだろうかと考えることもすごく楽しくて好きな時間です。
-「フラの舞台に立つから作ってください」という注文も多いのではないかと思いますが、そういう時はどういう作り方をされていますか?曲があって内容がある場合や、そうでない場合もあると思いますが、こういう風にしましょうというような提案はご自分からされるのですか?
大谷:オーダーされる方の話しを最初に全部聞きます。フラの際に身につけるレイはその曲への解釈の仕方なども含まれるため、こちらから「こうしましょう」という提案は最初にはしません。ハワイと全く同じレイを作ることは僕には出来ないので、話を聞いた上で、その季節でハワイに咲く花のイメージに近いものや、リクエストに応えられるものをチョイスして確認します。
-ハワイの花にこだわりたいと思ってはいらっしゃらないのですか?
大谷:コンペの時など、自信を持って作っていきますが、片やハワイから輸入した花は色が鮮やかで、香りが遠くにいてもわかります。そんな時に、ニセモノ感というか、「やっぱり日本の花だしね…。」という空気を感じて、とても引け目を感じることが以前はありました。
今年になってから、ハワイの花を日本へ持ってくることはやめました。以前、ハワイのクムが「ハワイへ戻ることがないものを持ち出すのはよくない。日本で使った後、そのレイがハワイの土地に戻るなら別だけれど…。」と言うのを聞きました。僕の先生からもレイにする草花は身につけた後、いただいて来た場所に返し、次の命に生まれ変わらせてあげるようにと教えられました。循環しない、一方通行なことは、その気持ちとは少し違うなと思い、それからはハワイから日本へ持ってくる事はやめたんです。
ハワイ島のアンセリウム農家の方ともお付き合いさせていただいていて、ゆくゆくはそこからいろんな花を輸入できるようになるといいなと一時は思っていました。しかし、今の先生について勉強するようになって、わざわざハワイから花を持ってこなくてもいいのじゃないかなと思うようになりました。
「レイに使っていい花と使ってはいけない花はありますか?」という質問をよく受けます。僕も昔先生に同じように「トロピカルな花じゃないとダメですか?」と質問しました。先生は「それはハワイの風土や環境に合う花にはトロピカルなものが多いというだけで、日本にもきれいな花があるのだし、もし自分が日本にいたら日本の花を使いたい」と言われて、それはもちろんそうだなと思いました。
ハワイから花やレイを輸入する人もいて、日本の花で作る人もいる、それで良いのだと思っています。その中から皆さんが必要なものをその時々で選べるなんて素敵ですよね。僕は日本の花で自分の手で作っている、そういうところが自分のスタイルなのです。
-大谷さんのレイメイキングは日本の風土を生かしたレイメイキングということですね。
大谷:そうですね。今、日本全体の少子高齢化が進んでいるように、花卉農家でも高齢化が進んでいます。この10年位、安い輸入品も増えて、日本で生産された花が売れなくなり、生産をやめてしまったため、市場に流通しなくなってしまった花も数多くあります。こういう状況はとても残念な事だと思い、花業界に身を置く一人として何かできたらいいなと思うところもあります。そして、その土地の花を使いなさいという先生の意見も大きく影響しています。それが本来の姿だったのですから。
-日本でレイメイキングを教えたり、ご自身で作る時にいろいろな苦労があると思いますが、いかがでしょうか。
大谷:大変なことは、お金がかかることですね。ハワイの人に日本ではどうやって作っているの?と聞かれて、市場に行ってお花を買っていますと答えたら「かわいそうね」と言われました。
とは言え、どんなにきれいな花が咲いていても無断で採ることはできませんから、簡単に解決することではありません。まずは広大なお花畑を作らないといけませんね。
-ハワイではフラで使うためにレイを作る時は自分で山に入って必要なものを必要な分だけ採って、自然に感謝して使って、それをまた戻すという風習がありますよね。日本の場合はそういう風習とはかけ離れた形で行われているのではないでしょうか。商品としてあるものを買ってきて、それを作って、みんなが飾るというハワイとは違うスタイルについてはどのようにお考えですか。
大谷:なぜ僕がレイを作って売るのではなく、ワークショップ中心にやっているかというと、みんながレイを作れるようになって、レイを作ることがごく普通のことになってくれたら嬉しいなって思うからなんです。いろんなスタイルの作り方を学べば、たいていの花は使うことができるようになります。例えば自分で作る時に、この花が何輪ないと作れないということはなくなってくるんですね。
うちにあじさいが咲いていなたとか、こないだどこそこに行ったら何とかって花がきれいだったなとか、レイ作りを通して、そういうことに気づいてもらうことはすごく大切だと思います。
状況さえ許せば、レイを作る際、いつも花を買う必要はなくなるのではないかと考えています。そんなことに気がついてもらえたらと、例えば畑を開放してもらった時はそこから使わせてもらったり、許可をいただけた場合は、みんなを連れて行ってそこでレイを作ったりしています。
ただ、作り慣れていないと、初めて使う花でどう作れば良いのかわからないので、まずはどんな花でもレイを作れるということを覚えてもらって、誰もが作れるようになれば良いと思っています。
大量のレイの発注は受けたくないと言ったらおかしな話ですが、そんなことはなくなればいいと思っています。みんなが自分で作れるようになる事で、ハワイのスタイルに近づけるのではないかと思っています。
-その人の環境に合った状況で、レイを作るというのが一番理想的だということですね。都会に住んでいて花を買って来なければならない人はしょうがないですが、庭に花が咲いている人はその花を使おうよと、そういう状況になることが望ましいということなのですね。
大谷:花を楽しんでほしいから、こうでなくちゃいけないということは言いたくありません。
僕もハワイで先生に毎回厳しく言われるのは編む時、「レイを机のふちに置いて作りなさい」という注意位で、他はほとんど何も言われません。とにかく一つでも多くのレイを作ってみなさいって。誰でも経験をつめば自然に上手になりますし、もっと気軽に楽しめるようになると思います。
日本人は花を手厚く長持ちさせることに神経を遣い過ぎているように感じます。それも大切ですが、花を一輪摘んで身につけて1時間で枯れてしまっても、1時間の中で楽しむ事もステキな事だと僕は考えています。
-初歩的な質問ですが、売っている花を買って、作る時に花をばらしますよね。個人的にはそこに何となく抵抗があるのですが、そういうところはいかがですか?
大谷:やはりそういう感覚はあります。短く切るのに罪悪感を覚える人も多いですね。花を短く切り落とすことのない環境で育ってきたので仕方ないことだと思います。
自然の命を止めて、いただいてくるものだから大切にしなくてはいけないし、無駄にしてはいけません。売っている花はもう誰かが命を止めて死んでいるものかもしれませんが、それでも自分の元にやって来たのだから、無駄にしてはいけません。
レイが出来上がって花材が残ってしまったら捨ててしまうのではなく、まだ作り続けている人にあげるとか、使い終わったレイを控え室でほったらかしにしたり、雑に扱ったりしてはいけないと思います。作り方だけではなくそういうことも多くの人にわかってほしいと思っています。
-大谷さんの先生であるレイメイキングのレジェンド、マリー・マクドナルドさんに教えられたこと、また、先生から感じたことは沢山あると思いますが、一番はどんなことでしょうか。
大谷:一番は花の選び方が印象深かったということです。最初に見た時に、先生があじさいを使ったのにびっくりしました。あじさいがハワイにあるとは思ってもいませんでしたし、地味な色目だったのに出来上がったレイがとてもきれいだったのが印象的でした。
彼女のところで最初に見たレイは、それまで本で見ていた花の組み合わせがパターン化されたレイではありませんでした。どういうパターンなのかがよくわからなくて混乱してしまいました。それまでレイはパターン化して作らなければいけないと思い込んでいましたから。今思うと先生はただ単に自分のところで採れた寄せ集めの花で作ったものだと思うのですが、これは1個しかないからこの辺に入れてみようかとか、これはいっぱいあるから使ってみようかとか、そんなことだったんだなと思います。本で知ったレイと実際の生活の中にあるレイというものの違いを感じました。
-マリーさんに習ってから、大谷さんの花の選び方も変わっていきましたか?
大谷:そうですね。やっぱり自分も先生に近づきたいというのがありますから。最初に見た先生のレイが印象に残っていて、今でもそれを思い出して作ったりします。
-レイデーで賞を取るような作品とは対極だと考えてよいのでしょうか?
大谷:もちろんコンテストで賞をとるような作品も、きれいでいいと思います。
この間メリーモナークに行った時、自分が何もつけてないのが恥ずかしくなって、今日こそはレイをつけて行かなくちゃ、と思った時に花がなくて、日本にいる時には見過ごしてしまいそうな雑草を集めてレイを作りました。そういうもので出来上がったレイでもとてもきれいだと感じました。
-マリー・マクドナルドさんはどんな方なんですか?
大谷:おばあちゃんですよね。会う前は
彼女は学者でもあるからすごく気難しいと人から聞いていましたが、実際に会ってみると、すごく大きくてびっくりしましたが、「ハワイのおばあちゃん」という感じで、本当に素敵な、僕にとって特別な存在なのです。
-写真でしか拝見したことがないのですが、本当に家の周りに広い花畑があって、そこから摘んできているのですか?
大谷:ものすごく広いです。あそこに花があるから採ってきなさい、そんな感じです。
-本を出版されましたが、この本を通じて伝えたいことは何ですか?
大谷:宣伝的に言うと、1500円で僕がワークで教えたことや、今まで学んできた作り方全部が載っています。だから今後僕はHOW TO本を出す必要はないと思っています。
-この本を読んでマスターしたら、もう大谷さんから習うことはないと?
大谷:そう思っています。実は最初に本の話をいただいた時、「僕の仕事がなくなるからHOW TO本は絶対にいやだ」と言ったんです。でも、一人でも多くの人にレイが作れるようになって欲しい。そう思って活動を始めたので、とてもいい機会が来たんだなって思うようになりました。この本では、自分が洋書で勉強していた時にわかりにくかったところも、なるべくステップを細かくして、自分の持っている知識を全部お見せしているつもりです。出版前は心配もありましたが、本が販売されるようになったら、「この本を見た」と言ってスクールに連絡が来るようになりました。この本を読んで興味を持って教わりたいとおっしゃる方が結果的には多かったのです。
-いろいろな葛藤があってこの本が今ここにあるのですね。思い通りの本ができましたか?
大谷:はい。レイの形ができさえすれば良いという風には思ってほしくありません。どういう気持ちで勉強してきて、どういう気持ちで作っていますということが伝われば良いと思っています。
-ワークショップやレッスンはどのように開催しているのですか?
大谷:ここ(五反田のアトリエ)は自分の教室ですので、半年が一つの単位になっています。あとはコンサートなどの仕事で地方へ行くと、「来るんだったらワークショップはやらないんですか?」という声をいただくので、地方でワークショップを開くこともあります。この間も宮崎の大会に行っていろいろなところでワークショップを開きました。
-ここ数年のフラブームで参加する人が増えていますか?
大谷:はい、フラをやっている人が来る場合もあるし、お花屋さんが来ることもあります。
誰にでも興味がある人には教えたいと思っています。早くみんながレイを作れるようになればいいと思っていますから。
-ハワイから日本へ来たミュージシャンやダンサーが大谷さんのレイを使うこともありますよね。ハワイの人達が日本に来て、ハワイとはちょっと違うレイを見る訳ですが何か反応はありますか?
例えば珍しいものを見たとか、こういう花でもできるのかとか、ハワイの人が感想を述べるということはあるのでしょうか?
大谷:ハワイの人には何の花かわからない花が使ってあったりしますので、びっくりしていることもありますね。今までで一番喜んでいただいたのは桜を使ったレイです。日本で入手困難で高額なプルメリアを買って作ったレイをハワイの人にあげても、彼らにとってはそれほどうれしくはないだろうと思ったのです。僕は海外で日本食をあまり食べたいとは思いませんが、それと同じで、ハワイの人には日本に来てもらったのだから、日本の花で迎えたいですね。
-レイにあまり向かない花というのはあるのですか?
大谷:それほど多くはないと思いますが、今ぱっと思いつくのはチューリップやカサブランカのような花です。あれはちょっと難しいですね。
-あとはどんな花でもできるのですか?
大谷:はい、花が小さくなる分には何の問題もないですし、レイにできないものはほとんどないと思います。
-今後の予定や目標を教えていただけますか?
大谷:国内外問わず、もっともっといろんなところに行ってみたいです。どんなところにも必ずその土地ならではの花があります。例えばインドやタイにもレイに似たものがあり、実際に見て作ったりもしてきました。今後もいろんな所でそういうものも見てみたいし、何かが違うなら学んでみたいし、一緒に作ってみたりもしたいです。
日本では今、花があんまり売れなくなって、しょんぼりしている農家の人も多いんです。そういう方達にレイを作ってあげると、珍しいみたいで喜んでもらえます。
畑を開放してもらってみんなを連れて行って、実際に畑で花が育っている姿を見せると、行った人達もうれしいし、農家の人もダイレクトな反応を見て誇らしげな感じだったりして、そういうこともすごく楽しい。農家だけではなく、例えば自治体などにもこういう状況を何とかしたいと考えている人がいて、そういったことに応えることができるなら何でもやってみたいです。
-レイはハワイのものだけれど、ハワイだからというようなことばかりにこだわってはいらっしゃらないんですね?
大谷:こだわってはいません。レイを作り始めてから、ハワイのミュージシャンやフラの先生など、いろんな人に会う機会があります。そういう人達が日本のものを使ってレイを作るのをとても良いことだと言ってくれるのです。
花は日本のものだけれど、気持の面では場所が違うだけで同じ考え方でやっているということでいいのかなと思っています。日本で踊るから日本の土地のものを使って、日本の土地に返す、そういうことですね。
-ハワイのことをハワイと全く同じようにやろうとするとどんどん自己矛盾的なことが出てきて、深みにはまっていくことがありますが、上手に解消しているというか、消化していらっしゃるように見受けられます。
大谷:いろいろな問題があって、以前取引していたハワイからの品物が入荷しなくなって。その時は僕もどうしようかと思っておろおろしましたが、でもよく周りを見てみるとハワイと同じものや、すごく近いものは日本にも沢山あって、逆にそれを使う方が、わざわざ遠くから手に入れるより良いと思うようになったのです。
-例えばマイレを使いたいと言われた時にはどうするのですか?
大谷:「マイレの取扱いは出来ないんです、すみません。」と謝ります。
例えばティーリーフを編んだり、どうしてもという場合は蔓のようなものをマイレでレイを編む時の作り方で作ります。
ただマイレの場合はいろいろと難しくて、レイに意味を持っていたりするので、形だけを真似て見せるならやめた方がいいですとも言いますし、どうしてもマイレがほしかったら、ハワイから買ってくるのが上手な人にお願いしましょうと紹介してしまいます。
-話しは変わりますが、ハワイに行った時に必ず行く場所やおすすめのお店はありますか?
大谷:実はほとんど出歩いたことがないんですよ。ここ数年、ホノルルは全然行かないし、パホアというところに泊まっているんです。そこから先生のところに行く位で、それもひとりで行くから食事もお弁当を買って食べたりするので、観光地にはどこにも行ったことがありません。
こないだ行ってよかったのは、マクウというところのファーマーズマーケット。 たぶんハワイ島で一番大きいと思います。 そのファーマーズマーケットのソムタムというパパイヤのサラダ屋さんなんですが、おばちゃんがひとりでずーっとやっているんです。
-サラダ屋さんなんですか?
大谷:ソムタムというサラダ、それだけなんです。たまにもち米にマンゴーが載っているようなものとか、カレーが置いてあることもあるんですが、看板はソムタムなんですよ。延々とソムタムを作り続けているんです。それはすごくおいしくて、2週連続で食べに行きました。
-パホアの街もおもしろい街でいろいろなお店がありますよね。
大谷:ちょっと変わったヒッピーの街ですよね?パホアの街に泊まっているのも、僕がヒッピーに傾倒している訳ではなくて、知り合いの誰も住んでいない家を借りているからなんです。大体出かけて帰る頃には真っ暗なんですよ。だからパホアの街自体は知らないんですが。
-ありがとうございました。これからも日本の花の魅力をレイを通して伝えてくださるのを楽しみにしています。
2008年7月17日UMAHANA SCHOOL(東京・五反田)にて
聞き手:Kaimanahila
Photo: Shu Suzuki(8011web.com)
大谷幸生さんの著書
『ハワイアン・レイメイキング しあわせの花飾り』
(ポプラ社)定価1500円(税別) 全国書店で発売中!
詳細はこちら→ポプラ社一般書チームがおくる、デイリーWebマガジン
「ポプラビーチ」http://www.poplarbeech.com/
大谷幸生さんのUMAHANA SCHOOL
UMAHANA OHANA SCHOOL
クラスに関する詳細はWEBサイトをご覧ください。
http://www.umahana.com/
[レッスン風景]
[レイクラスのみなさん]
大谷幸生さんの著書
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協賛:ポプラ社
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5.Your Storyに登場して欲しいと思うハワイに関係する方のお名前
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