
第67回グラミー賞が2025年2月2日(現地時間)、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで開催された
ハワイイ音楽が含まれる「Best Regional Roots Music Album」部門で
カラニ・ペアがアルバム『Kuini』で、4回目の受賞を果たした
グラミー賞「年間最優秀アルバム」は
ビヨンセの『COWBOY CARTER』が選ばれた


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カラニ・ペア 4回目のグラミー賞獲得
2025年、カラニ・ペアがアルバム『Kuini』で、4回目となるグラミー賞「Best Regional Roots Music Album」を受賞した。マウイ島の自然に育まれ、ハワイ語の響きを纏った彼の音楽が、再び栄誉を手にしたこの瞬間、ハワイイアン音楽界の歴史に新たなページが加わったといえる。
デビュー以来、リリースした4枚のアルバム(クリスマス・アルバムを除く)
すべてが、グラミー賞受賞という快挙を成し遂げた
(グラミー賞「Best Regional Roots Music Album」については後日書く予定)
『Kuini』に込められた思い
『Kuini』のタイトルは、ハワイ語で「女王」を意味する。
その言葉が示すように、アルバム全体を通してカラニ・ペアは家族や先祖
そして世界(universeと言っている)の女性リーダーたちに深い敬意を払っている。
収録曲には、ハワイの自然への賛美と、そこに息づく伝統が織り込まれ
それがリスナーに感動を与え続けている。
今回の作品も、美しく、伝統的なメロディーを大切にした仕上がりとなっていて
チャント、新しい作品、聞き馴染みのある曲とバランスよく構成されている
そして、彼の作品周りのプロダクト(ジャケット、PV,、SNS等)の
丁寧な作り、完成度の高さにはいつも驚かされる。
母、パートナーと共にステージへ
受賞式では、母のプアと
パートナーでマネージャーでもある
アラン・B・クール・ペアと共にステージに立った。
観客にハワイイ語で挨拶をし、その後英語に切り替えた
彼は、受賞の喜びと感謝を以下のように表現している。
アクア(神々)と先祖、祖父母の皆さんに感謝します。
愛と音楽の才能を授けてくれたこと、
ここにいる私の母が私を生んでくれたこと
そして16年間私を愛してくれているパートナーのアラン。
”私のチーム”に感謝します。
『Kuini』は『クイーン(女王)』を意味します。
私は世界(universe)の女性リーダーたち
私の母、祖母、あなたの母、祖母
そしてカナカ(ハワイ先住民)のための
素晴らしい医療制度を築いたエマ王女を称えます。
また、このアルバムに関わった素晴らしい人々を讃えます。
ラハイナの守護神、モクウラの守護者キハワヒネにも敬意を表します。
私たちはマウイ島に住んでいます。
私たちは(マウイでの)山火事に直面しました。
ロサンゼルスの山火事とも共感でき、世界に癒しをもたらすためにここにいるのです。
カラニ・ペアの歩み
カラニ・ペアが歩んできた道のりは、ハワイアン音楽界における重要な転換点を物語る。
彼のキャリアは、努力と情熱、そして文化への深い愛情で彩られている。
その歩みを年表で振り返ると、いかに彼がハワイの文化を守り、新たな形で広めてきたかがわかる。
カラニ・ペアは1983年4月13日にハワイイのヒロで生まれた。
母親が子ども時代に言語障害を克服するため
導いてくれた音楽の世界が、彼にとって生涯の大きな支えとなった。
父もジャズやビッグバンド・サウンドの影響を彼に与えた。
その後、カラニはハワイイ語イマージョンスクールで学び
音楽と文化の結びつきを深めていきました。
ペアはコロラドメサ大学でコミュニケーション学の学士号を取得。
さらに幼児教育を中心とした修士課程にも進み、教育者としても活躍する。
彼はハワイイ語の子ども向け物語を5冊執筆ている。
2017年にカメハメハスクールのハワイ文化リソース・コーディネーターの職を退きフルタイムの音楽キャリアをスタートさせた
1983年: マウイ島で生まれ、幼少期からハワイイ語と音楽に親しむ
1990年代:ハワイイ語イマージョンプログラムで学び、ハワイイアン音楽と文化への興味を深める
2000年代:ハワイイ大学ヒロ校で教育学を学ぶ一方で、視覚芸術や音楽の才能を伸ばす
コロラドメサ大学でコミュニケーション学の学士号を取得。
2016年: デビューアルバム『E Walea』リリース
2017年グラミー賞「Best Regional Roots Music Album」受賞
2017年ナー・ホク・ハノハノ賞 「Contemporary Album of the Year」受賞
2018年: セカンドアルバム『No ‘Ane‘i』発表
2019年グラミー賞を再び受賞
2021年: 3rdアルバム『Kau Ka Pe‘a』リリース
2021年ナー・ホク・ハノハノ賞 「Christmas Single Of The Year」受賞
2022年のグラミー賞で3度目の受賞を果たす
2022年: クリスマス・アルバム『Purple Hawaiian Christmas』リリース
2023年ナー・ホク・ハノハノ賞 「Contemporary Album of the Year」受賞
2024年: 4thアルバム『Kuini』リリース
2025年4回目のグラミー賞を受賞
2016年にデビューアルバム『E Walea』を発表し、2017年にグラミー賞を初受賞。
その後も『No ‘Ane‘i』『Kau Ka Pe‘a』を続けてリリースし、2019年と2022年のグラミー賞を受賞した。
いずれのアルバムもビルボードチャートで11位にランクインし
彼の音楽が幅広いリスナーに受け入れられていることがわかる。
ハワイイアン音楽への影響
カラニ・ペアは、ハワイイアン音楽と文化の保存だけでなくその価値を世界に発信している。
彼の音楽には、伝統に対する尊敬の念が感じられ
伝統と革新を融合させた、ハワイイの美しい文化と精神を次の世代に伝えていく力強いメッセージとなっている。
カラニ・ペアの受賞は、ハワイイアン音楽の未来を切り開く重要な一歩だと言える。
ハワイイ語でのアプローチで、グラミー賞を取ることの意味は大きい。
ジャンルを越えて広がりを見せ、新しい聴衆層を獲得して行ければ
若いアーティストたちがハワイイ文化を守りつつ新しい音楽を作る動きが加速するだろう。
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