
2025年4月、待ちに待ったメリモの季節がやってきた
「メリー・モナーク・フェスティバル」は
ハワイイ島ヒロで1週間にわたって開催される
ローカルフェスティバル
特に注目されるのは
フェスティバル後半の3日間に行われるフラ競技会で
ここでは世界最高峰のフラを見ることができる
今年の開催は、日本時間で4月25日から27日
LIVE STREEMINGで視聴可能だ
今回は
「メリー・モナーク・フェスティバル」の
歴史と概要についてまとめた



Miss Aloha Hula出場者
Group 出場ハーラウ、LIVE STREEMING情報は
下記にアップ


陽気な王様〜カラカウア王〜
ハワイイ王国の国王デイビッド・カラカウア(在位:1874年-1891年)は
「陽気な君主~Merrie Monarch」と呼ばれていた
彼は多くの絶滅の危機にあった伝統的な
文化、神話、医学、チャント(詠唱)などを復活させた
そして、宣教師たちによって長年抑圧されていた
フラを、ハワイイのソウルだと信じ
表舞台に復活させたのもカラカウア王だった
だから、その名を冠した祭が
ヒロの町で毎年開催されるのは、ごく自然なことなのだ
メリー・モナーク・フェスティバルの始まり
ヒロは、雨の多い町
ハワイイ島の東に位置し、曇り空の下にしっとりと沈むような港町だ
この島の中心地として栄えていたヒロは
1960年の大津波で打撃を受け、サトウキビ産業の衰退もあり
1960年代初期に危機的状況にあったが
やがてフラとともに立ち上がることになる
1964年、日本がオリンピックで湧いていた年
ヘレン・ヘイルという女性が、
町の復興、再生のために
二人の男、ジョージ・ナオペとジーン・ウィルヘルムと手を組み
地元のフェスティバルを企画した
それがメリー・モナーク・フェスティバルの始まりだった
最初の数年間は、フラの競技会ではなかった
カラカウア王の髭コンテスト、合唱コンテスト、リレー走、ホロク・ボール
どこか牧歌的で、地元に寄り添ったイベントたち
町祭りだった
だが町はまだ、再生に向けて熱くなることはなかった


1968年、変化が訪れる
ドロシー・トンプソンがフェスティバル・ディレクターとなり
祭をフラにフォーカスさせた
最初の3年間はフラはパフォーマンスだけであったが
71年からはフラ・コンペティションが始まった
最初の年、参加したのは9つのワヒネのハーラウだった
その5年後にはカネのハーラウも参加を許され、祭は一気に熱を帯びた
ちょうどその頃、ハワイアン・ルネッサンスが始まっていた
文化のうねりと、祭の鼓動が、ピタリと重なった
しかし、以前ジョージ・ナオペに聞いたところによると
その当時は、カヒコの知識を持ち踊れるハーラウは
ほぼなかったという
アンクル・ナオペがすべてのハーラウを訪ね指導したという
なので最初の数年は、すべてのハーラウが同じチャントで
ほぼ、同じフリだったそうだ
フラは、踊られる詩である
現在、競技会は3日間にわたりおこなわれる
木曜日の「ミス・アロハ・フラ」
金曜日の「カヒコ(古典フラ)」
そして土曜日の「アウアナ(現代フラ)」
日曜日は、翌週からの仕事や学校に備えての移動日だ
カヒコでは、チャントと身体が一体となる
オリ、カイ、メレ、ホイ——そのハワイイ語の響きには、歴史の重みがある
先祖に対する敬意と難しい時代を生き抜いたハワイイに対する
称賛と誇りが伝統のフラからほとばしる
アウアナは島の過去と現在を行き来し
力強く、優雅に、時にコミカルにハワイイを見せる
そして最高のミュージシャンたちが彩りを添える
審査員は7人で
最高点と最低点を除いた、5人のスコアで評価する
王宮のホールのような優雅さと
格闘技のような緊張感が
舞台には共存している
フェスティバルは一週間続く
競技は後半の3日間
それ以前の4日間には、ホーイケ・ナイトや工芸フェア
様々な地域のハーラウのパフォーマンスが並ぶ
ニュージーランド、アラスカ、そして日本——
ヒロの町には、世界中の踊りが集う
特に土曜朝のパレードは、町をあげての祝祭だ
どこかノスタルジックで、子どもたちの笑い声が風に混じる
そして、フェスティバルはただの催しではない
これは文化の保存装置でもある
出場するハラウには、曲のリサーチペーパー提出が義務付けられている
フラは学問であり、祈りであり、共同体そのものなのだ


祭の名前は、カラカウア王に帰す
デイヴィッド・カラカウア
彼は19世紀の王でありながら、20世紀の希望を見ていた
フラを奪われた民に、その美しさをもう一度伝えた人物だ
ハワイイ王国が崩壊に向かっていることを感じながらも
ハワイイの伝統と文化
そして誇りを未来につなごうとしていた
メリー・モナーク——陽気な君主
彼はステージを見つめている
2025年、フェスティバルは62回目を迎える。
4月20日から26日(ハワイイ時間)
ヒロのエディス・カナカオレ・スタジアムに、フラの波が押し寄せる
ここで踊られるフラは最も新しく、過去の歴史を踏まえた
今も進化し続ける文化の、ひとつの形だ
そしてたぶん——とてもささやかな希望の形だ
ひとりのダンサーが、オリを唱えながら舞台に立つ
そこに、ハワイイのすべてが詰まっている
その幕はまもなく開かれる


2025年のスケジュール
April 20-April 26, 2025
Hoʻolauleʻa (celebration)
9:00 a.m., Sunday, April 20that the Afook-Chinen Civic Auditorium.
Free admission to watch performances by our local hālau.
Free Mid-day Entertainment
Daily (Monday through Friday)
Entertainment at the Grand Naniloa Hotel (12 p.m.),
and the Hilo Hawaiian Hotel (1 p.m.).
Merrie Monarch Invitational Hawaiian Arts Fair
9:00 a.m. to 5:00 p.m., Wednesday,
April 23rd through Friday, April 25th
9:00 a.m. to 4:00 p.m., Saturday, April 26that the Afook-Chinen Civic Auditorium
An annual favorite, this free event features local artists, crafters, and entertainment.
Hōʻike Performances
6:00 pm, Wednesday, April 23rdat the Edith Kanakaʻole Stadium
An exhibition night of hula and folk dance from around the Pacific.
The performances are free to the public, no tickets required.
Miss Aloha Hula
6:00 pm, Thursday, April 24that the Edith Kanakaʻole Stadium
Individual competition for the title of Miss Aloha Hula with contestants performing hula kahiko, hula ʻauana and oli (chant).
Group Hula Kahiko
6:00 pm, Friday, April 25th at the Edith Kanakaʻole Stadium
Hālau hula perform ancient style dances.
Group Hula ʻAuana & Awards
6:00 pm, Saturday, April 26th at the Edith Kanakaʻole Stadium
Hālau hula perform modern style dances, followed by an awards presentation for all group winners.
Merrie Monarch Royal Parade
10:30 am, Saturday, April 26ththrough downtown Hilo
コメント