INTERVIEW

クム・フラ ”チンキー・マホエ ” インタビュー(The Ukulele book掲載原稿)ウクレレの話

 

2009年に作ったムック本
「The Ukulele book」に掲載したインタビューを
関係者各位の許可をもらい一部加筆修正し再掲載する
(時期に関する文言は2009年当時)

マニアックすぎてあまり売れなかった本なのでww
読んでない方も多いのではないだろうか

このチンキー・マホエ氏のインタビューでは
主にフラとウクレレの関係を中心に聞いている
なかなか奥深いインタビューだ
フラを教えている方達には是非読んでいただきたい!

Chinky Mahoe(チンキー・マホエ)

Hālau Hula ‘O Kawaili‘ulā (ハーラウ・フラ・オ・カヴァイリウラ) クムフラ

 

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オアフ島で一番美しい海岸カイルアビーチにチンキー・マホエのハーラウはある

チンキーはメリー・モナークをはじめ数々の競技会で優秀な成績を収めている
ハーラウ・フラ・オ・カヴァイリウラのクムフラだ

彼の芸術的で創造性に富んだフラは高く評価され、ハワイイで最高峰のハーラウの一つに数えられている
日本にもしばしばやってきているし、フラ関係者なら彼を知らない人はいないだろう

今回、フラではなく、ウクレレについて話を聞きたいとお願いをしたが
「何も問題はないよ」とインタビューを快く受けてくれた
彼はミュージシャンとしてもアルバムもリリースし活躍している

 

クムが演奏することでマナを伝えられる

ハワイイではクムがウクレレを弾きながらレッスンを行っているのをよく見かけるが
日本ではCDなどで音楽を流していることが多い
チンキーはどの様にしているのだろうか聞いてみた

「クムがウクレレを弾けることはとても重要なことです
生徒のために自分でウクレレを弾き、歌ってあげることできれば
クムのマナ(*1)を生徒達に直接伝えることが出来ます

フラにとって音楽はとても大切です
そもそも、フラは、その詩がどういう意味なのかを踊りで物語るもので
歌とともに存在するものです。踊りだけでは存在出来ないのです」

 

ウクレレを聞くとその人の性格がわかる

チンキーがウクレレを始めたのは、意外にも遅く17歳の時、母親に教わったそうだ
フラを始めたのも22歳からと遅かったが
ジョージ・ナオペ、ダリル・ルペヌイのもとでフラを学び若干27歳で自らのハーラウを立ち上げた

 

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ウクレレの魅力について訪ねると

「私たちハワイイアンにとって、楽器と言えばウクレレを意味すると思います
少なくとも、私にとってはそうです
最初に弾いた楽器はギターだったけれども、本当にとりこになったのはウクレレです
弾くのがギターより簡単だったこともあったのですが(笑)
ウクレレの音や演奏スタイルには弾いている人の性格が表れることがとても興味深いですね
皆それぞれの弾き方があり、スタイルも違いますが
ウクレレの音を聞くとその人の性格がわかるような気がします」

 

ベーシックコードしか使わない、それがトラディショナルだから

ウクレレの歴史は130年と言われているが
ハワイイにとってウクレレはどの様な楽器なのか質問した

「ウクレレが演奏されている音楽はハワイイアン・ミュージックと誰もが思います
それほどウクレレはハワイイアン・ミュージックの中で重要なポジションを得ているのです
ウクレレの原型は、ポルトガル人が持ち込んだものだといわれていますが
ハワイイアンは、ポルトガル人の演奏スタイルをまねしなかったようですね

ポルトガル人の演奏はピッキングスタイルで、早く弾くものだった
だから、ハワイイは、その飛び跳ねるような指の動きを見て”のみ”が跳ねているようだと感じたのだと思います(*2)
しかし、ハワイイ・ミュージックのウクレレはストラミング・スタイルですよね
これは、トラディショナル・スタイルと呼ばれているけれど
私が弾くウクレレの基本スタイルで、私はこのスタイルが一番美しいと思っています」

若いウクレレプレイヤ−についての感想を聞いた

「ピッキングスタイルの演奏をするプレイヤーが増えていますね
私はトラディショナルなストラミング・スタイルの方が
ハワイイアン・ミュージックらしい音がして好きですね

だからといって最近の音楽がハワイイアン・ミュージックではないと言うつもりはありません
私たちの頃とは時代も違うし、音楽自体も変化している

オールドスタイルのハワイイアン・ミュージックは忘れられていき
コンテンポラリー・ハワイイアン・ミュージックが増えていく
歌を作るスタイルも昔とは違うのでそれはしょうがないのかもしれない

でも、私はコンテンポラリーよりもトラディッショナル
ナイスなオールドファッション・スタイルを続ける努力をしていく
だから、ベーシックコードしか使用しません

それがトラディショナルなハワイイアン・ミュージックだからです

たくさんのコード進行は使わないようにしています
なぜなら、それは私にとってハワイイアン・ミュージックでないからです
シンプルな考え方だと思いますよ」

フラでは斬新な振り付けを見せるチンキーが
ウクレレに関してはこの様な考えを持っているの面白い
しかし、伝統を守っていくということは、こういうことなのだろう
そして、伝統を次の世代に伝えていくのだ

 

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見て、聞いて、練習してスタイルを作る

インタビュー中に、私たちが持っていたウクレレで演奏を聴かせてくれた
愛用のウクレレに付いてたずねるとハワイイ島のウクレレメーカー、カヴィカの8弦を使っているという
音も豊かで、音域も広いのでギターが必要なく、ベースとウクレレだけで演奏ができるので気に入っているそうだ
(写真のウクレレはカヴィカではありません)

「今はカヴィカのウクレレをオーダーしても、手に入れるのに数年はかかるらしいよ
私のウクレレも素晴らしい音がする
弦はそろそろ替えなきゃなんだけど、良いウクレレです」

フラを習っている人がウクレレを始めるとしたらどの様に勉強したらよいかを聞いた

「トラディショナルなハワイイアン・ストラミングを勉強すると良いでしょう
いろいろなスタイルのストラミングがありますが、見て、聞いて、練習をし
自分のスタイルに進化させていくことをお奨めします。

私も若い頃アンティー・ジェノア・ケアベなどの演奏をよく見て
キーの取り方、右手の使い方を研究し、私独自のリズムとストラミングを作り出しました

最近のウクレレ・プレイヤーで、ストラミングが素晴らしいなと思うのは
ナ・パラパライのケハウですね。彼女は独特な技術をもっています」

とにかく、上手なプレイヤーの演奏を見て、どの様に演奏しているかを分析し
まねすることが大事だという
そして、ストラミングのフィーリングが感じ取れるようになれば
必ず上達して、自分のスタイルを作ることができると教えてくれた

トラディショナル・ハワイイアンを演奏するために重要なのは、右手のストラミングのようだ
チンキーはストラミングのことだけをアドバイスしてくれた
それだけ、難しくて、大切なことなのだろう
皆さんもさっそくストラミングの練習を初めてはどうだろうか・・・

* 1  ハワイイで言われる神秘的な力
* 2 ウクレレ名前の由来は諸説あるが、ハワイ語でukuは蚤l、eleは跳ねるを意味する
演奏する指が跳ねる蚤のように見えたことからこの名前が付いたとも言われている。

 

 

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