[Da Kine Blog 001] 変わらぬ情熱「森山大道写真展」

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Uncle S

8011webの管理人
”UNCLE S”の”飛花落葉”を感じての”漫言放語”
広い心でお読みください

現在、東京都写真美術館で開催されている
森山大道氏の写真展を見てきたので

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細心の注意のもと”東京都写真美術館”へ

先週、金曜日
午前中から出かけることにした

東京では、新型コロナウィルスの感染が増え続けており予断を許さない状況になっている
感染者確認数、感染率、重症感染者数などなど…
何を重視するのか、議論百出のうえ、発表されるデータの理解も難しく
良くわからないのだが、向かっている状況はあまり良くなさそうだ

”Go to Travel”からも仲間はずれにされた東京は
警戒レベルがさらに上昇中
そんな状況で、都が運営する”東京都写真美術館”がいつまで開いているかも不透明

そう考えていたら
仕事が休みだった、金曜日は朝から雨が降っていた
こんな天気の平日の午前中は、最もお客さんがが少なそう
これはラスト・チャンスかも知れないと
世間にはこっそりと出かけた

閑話:”Go to Travel”は英語出来る人には気持ち悪いらしい

ところで…
ここで話しは脱線するが
”Go to Travel”という言葉
英語が出来る人にとっては気持ちの悪いフレーズのよう
パートナーの帰国子女も違和感を感じてテレビにブツブツ言っていた

内容、運営同様にタイトルも問題ありだ

”Travel”という動詞に”to”はいらないらしい
何か入れたいなら”on”だったら、我慢できるかな?との意見

”Go to Travel”の「go+to+不定詞」は無理があるらしい
”go”ときたら”to”と反応する
日本人的な英語とネットでも多くの方が反応している

現状では、”GOTOキャンペーン””GO TO トラベル”など
様々な表記になっているので
これは、よくある和製英語標語だと思えば問題ないのかも知れないが
受験勉強をしている学生さん達は要注意といえそう

そんなことを思っていたら
”Go to Eat”というものも始まるようだ
僕に日本は理解不能になりつつある

閑話休題:圧倒される森山大道氏のパッション

恵比寿の”東京都写真美術館”
まずは入り口で
手の消毒をし、マスクの着用をお願いをされ、検温をおこない入場出来る
係の方は、全員フェイスシールドを着用し、手袋
自動ドア以外は解放されている

一ヶ所カーテンで仕切られ照明が暗くなっている
狭い展示スペースがあるのだが
入り口で、人数を制限しているようだった
会場も広々しているし
何せ、お客さんは5〜6人ほどだったので安全と言える

「森山大道の東京 ongoing」
6月2日〜9月22日まで 東京都写真美術館 3階展示室で開催される予定


最初に見る写真が
森山大道氏、代表作である「三沢の犬」1971年の作品
粗い粒子でコントラストの高い白黒写真
一匹の犬がこちらを見つめている

様々な媒体で見慣れた写真だが
あふれ出るパワーに圧倒される

初期の作品はこの一点で
残る160点を超える写真は、5年以内の作品がほとんどを占めている

写真家歴は55年になろうとしている

1938年大阪生まれの81歳
 岩宮武二、細江英公氏のアシスタントを経て
1963年フリーとなり活動を始めた

1967年 「カメラ毎日」に発表した『にっぽん劇場』シリーズなどが評価され、
日本写真批評家協会新人賞を受賞し一気に名をあげた

”スナップショットの森山大道”として知られ
白黒の粗い粒子で、猥雑な街を切り撮り
動きのある写真は「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれ評価された

僕が写真を学び始めた頃にはスター・カメラマンであったが
当時、アベドン、アーヴィング・ペンなどに憧れていた写真青年には
理解しがたい存在だった

ものの本質を見抜くパワフルな視線、そして「ハワイ」

森山大道を知りたいと思うようになったのは
ここ、20年ぐらいのことだ

中年になって、やっと本質のようなものが見えるようになったのか
美しく見えるものの裏側、猥雑なものの美しさや意味を知りたくなった
これは写真だけでなく、音楽も文学もなのだが

写真において、その対象が森山氏だった

そんな時に、出版されたのが写真集「ハワイ」だった
2007年に発表されたハワイイを白黒の「アレ・ブレ・ボケ」でとらえた
独創的な写真集だった

何度も目にした光景が、森山氏の視線で切り取られると
見たことのない景色として目の前に現れ、様々な感情を内包していた
「凄い」
唸ってしまった

8011webに立ち寄ってくださる方は
ハワイイ好きの方
是非、この写真集を見ていただきたい

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何かを訴えかけてくる写真達

写真展に話を戻す
「三沢の犬」に次いで、広い壁面を埋め尽くすのがポスターにもなっている『LIPS』
同じ唇のアップが組み写真になっている
左は白黒、右はその写真の唇部分を赤く着色してある
カンバスにシルクスクリーンの作品だ

同じ、写真が並んでいるのだが
見ていると、それぞれの唇が様々な言葉をしゃべり始める感覚に襲われる
潜在意識に訴えかけられているようだ
「ぶつぶつ・ぶつぶつ」ささやき声が聞こえてくる

この二作品でかなり疲れるが
これだけで満足感を感じる
見に来た甲斐があったというものだ

このあとは、多くの東京スナップ写真が並ぶ
白黒とカラーの作品

綺麗なものや、心安らぐ被写体は出てこないが
切れ味鋭く東京やTOKYOのいまを切り取っている

取り付きやすい、優しい写真ではないが
見ていると、心が開いてくる
写真と同期することが出来れば
自らの深層心理が浮かび上がるような写真達だ

写真の一つの形を
極めつつある森山大道氏

まだ走り続けるらしい

変わらぬパッションと
社会へのエロい視線
いつまでも反逆者

カメラを持って街に出たくなった
せめて『小道』の入り口にたどり着けたら…
そんな、かすかな希望がわいてきた

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