書くのに難しいLIVEだった
他のメディアにもレビューを書いた関係もあり
一月を経過してのアップになってしまった
ちょっと辛口のレビューになったこと
お許し願いたい
ハーブ・オオタ・ジュニア、ネイサン・アヴェアウ、チノ・モンテロ
ハワイイを代表するミュージシャンが
2012年メリー・モナーク”ミス・アロハフラ”入賞のフラダンサー
サラ・ノエルを加え結成したユニット「Ha’aheo | ハアヘオ」
2月19日新宿文化会館にお邪魔
昨年は ”コットンクラブ”だけだったが
今年は全国4ヶ所で公演がおこなわれた
昨年のライヴは準備不足で
お披露目で三人が揃ったという程度だったが
今年はハワイイでリハもしてきたとの噂もあり
この三人が本当に化学反応を起こしたら大爆発するかもと期待した
しかし…
音楽は難しい
昨年のノーアイデア状態からは進歩し三人でコラボしたいという気持ち
楽しい雰囲気は伝わってきたが、最後まで音は交わらなかった
二部構成のステージで一部は日本のフラ教室が3人の演奏で踊る
昨今の、ハワイイ音楽公演で集客のために必要不可欠になっている手法
ダンサー達にとってもハワイイの一流ミュージシャンが奏でる
生音で踊ることは貴重な経験になるだろう
とは言え…
ビックリするほどの日本的解釈を施した踊りも登場し
フラとは言えないだろうと突っ込みたくもなったが…
これが日本スタイルの表現なのか?
驚きつつも二部へ
トラディショナル・ハワイアン・ソングから
昨年も演奏した ”哀愁のヨーロッパ ” などバラエティーに富んだ選曲
サラのフラを交えながら三人での演奏が続く
途中、それぞれの持ち曲を一曲ソロで披露
ネイサンとチノのヴォーカルは美しく,聞き応えがある
ジュニアのウクレレ、チノのギター
そして初めて聞いたネイサンのウクレレ・ベースも良いのだが…
残念ながらグルーヴ感が伝わって来ない
ハーモニーやアレンジにこの三人で演奏する理由が感じられない
音楽は難しい
パーツが素晴らしくても全体としてはまとまりきらないときもある
ハワイイのミュージシャンは元来“カニカピラ”と言われる
適当に集まった仲間でお酒を飲みながらセッションをし
ハーモニーを奏でて楽しむのが得意だ
譜面もない中での実践的即興演奏
それがハワイ独特のハーモニーを生み出した
そんなミュージシャンはトラディショナル・ハワイアンを演奏するミュージシャンに多いが
最近の若いミュージシャン達は学校での音楽教育を受けているので、もう少し理詰めだ
ネイサンもジャズやクラシックを勉強している
最近は、ハワイイのミュージシャンでも
カニカピラ・スタイルが得意ではないプレイヤーも増えている
そして、ジュニアとネイサンはソロのプレイヤー
相手と絡むと言うよりは一歩引いてしまう感じがある
チノは百戦錬磨のサイドプレイヤーだから
そのあたりはお手の物で,隙間を上手に埋めていくのだが
化学反応までには遠い状況だった
皮肉なことに一曲ずつ演奏したソロにあらためて感心してしまう結果になった
サラのフラは派手でないが音楽を見事に体現した美しさで
ステージを清楚で華やかにしてくれた
ステージとしては残念な出来に感じたが
4人の素晴らしさをあらためて知ると言う発見はあった
ウクレレ・ベースが良いかも
もう一つ発見が
ネイサンが使っていたウクレレ・ベース
日本ではあまり評価されていなかったが
何だか可能性を感じた
ベースの名手ネイサンが弾くからかもしれない
日本のミュージシャンも見直してみてはどうだろうか?
このユニットの今後はわからないが
あらためて音楽、ハーモニーの難しさを知らされた夜となった
Photo by Uncle S