ハワイイアン音楽のレジェンド
Palani Vaughan | パラニ・ヴォーン氏が亡くなった
60年代後半は、新しいハワイイ音楽ムーブメントの先頭を走り
70年代からは、カラカウア王に心酔し
王をテーマにした、4枚のシリーズ・アルバムをつくった
彼の、ハワイイ王朝を見直す活動は
現在のハワイイ音楽、フラに大きな影響を与えている
Palani Vaughan | パラニ・ヴォーンが亡くなった
突然の知らせに、驚き以上にショックを受けている
FaceBookのタイムラインもこのニュースであふれている
Palani Vaughan | パラニ・ヴォーン
12月8日(ハワイイ時間)72歳で亡くなった
ホノルル市内のフィットネスクラブのサウナで倒れたと報道されている
1944年5月生まれ、カメハメハ・スクール、ハワイイ大学で学んだ
パラニが衝撃的なデビューを飾ったのは
同級生である、ピーター・ムーンと共につくったアルバム
『Meet Palani Vaughan and The Sunday Manoa』
「サンディー・マノア」この時のメンバーは
ピーター・ムーン、ギャビー・パヒヌイの息子シリル・パヒヌイ、
さらにアルバート・カリマJr
そして、ゲストとしてシリルの兄ブラ・パヒヌイが参加していた
「サンズ・オブ・ハワイイ」にインスパイアされたこのアルバムは
ハワイイの若者達に支持され、新しいハワイイ音楽の方向を示した
歴史的一枚といっても、おおげさではない作品となった
しかし、その直後にパラニ・ヴォーンは、軍に入隊し
素晴らしいユニットはアルバム一枚で終わった
その後の「サンディー・マノア」とピーター・ムーンの活躍は
皆さんご存じのとおり
パラニは1970年に「Hawaiian Love Songs」をリリ−ス
ハパ・ハオレ・ミュージックを美しいベルベット・ヴォイスで聴かせてくれる
このアルバムは、ヒットし彼は成功を約束されたが
彼はビジネス的な成功よりも
19世紀のロイヤル・ファミリーがつくった音楽研究に取り組むようになる
ライフワークとなるIā’oe E Ka Lā: Helu ‘Ekāhi
『Meet Palani Vaughan and The Sunday Manoa』でも
”スイート・レイ・レフア”、”カラーカウア”など
デビット・カラーカウア王やハワイイ王室に縁のある曲が収められていたが
73年に、その後、彼のライフ・ワークとなる作品
尊敬するカラーカウア王にスポットを当てた
『Iā’oe E Ka Lā: Helu ‘Ekāhi – Volume One 』を作り上げた
『Iā’oe E Ka Lā: Helu ‘Ekāhi – Volume One 』は
評判となり、このアルバムからは「カア・アヒ・カフルイ」が大ヒットする
(Palani Vaughan and Ka’ilihiwa Vaughan Ka’aahi Kahului))
『Iā’oe E Ka Lā: Helu ‘Ekāhi』は結果、シリーズとして
1980年までに4枚のアルバムがリリースされ、ベスト盤も発売された
78年と81年にはナ・ホク・ハノハノ・アワードも受賞している
このシリーズは、王室の音楽をハワイイの人々に広く伝え、フラへの影響も大きかった
彼の代名詞ともなった、独特の髭もカラーカウア王へのリスペクトだ
その後、アルバムのリリースはなくなるが
ハワイイ音楽の重要なミュージシャンとして活躍をし
2006年、「Lifetime Achievement Award」
2008年、「The Hawaiian Music Hall of Fame」
に選ばれる
2000年代に入ると、音楽の表舞台に姿を見せなくなるが
ハワイイのインタビュー記事を読むと
「1999年から2012年まで、親の介護のために音楽活動を休止していた」と語っている
2013年には、プロジェクトKuleanaの映像“Kaulana Na Pua,”、
“All Hawaii Stand Together”に登場
2016年にはMana Maoliのプロジェクト映像
“Hawai’i Aloha | Song Across Hawai’i | Playing For Change Collaboration”に
家族と一緒に参加し、衰えぬ歌声を聴かせてくれていた
最近は、精力的に音楽活動をおこなっていて
ワイキキのホテルなどでのライヴもおこなっていた
新しい曲を書いていたとも伝えられている
奥様は、日本でも有名なクム・フラ”イポラニ・ヴォーン”
娘さんは、ミス・アロハフラで近年メリー・モナークで大活躍の
やはりクム・フラ”ヒヴァ・ヴォーン”
同級生のピーター・ムーンも長く病床に伏せている
二人が、演奏するところを再び見たいと思っていたが…
叶わぬ夢となってしまった
いま、パラニ・ヴォーン氏は
彼が、尊敬したギャビーと演奏し
彼が、生涯を捧げたカラーカウア王と楽しい話をしているのではないだろうか
またレジェンドが天に召された
ご冥福を祈る